私の留学体験記 西岡杏
2007年2月から翌年2008年までの一年間、私は大学の交換留学生として、中国の遼寧省大連市にある大連外国語大学に留学しました。私にとって初めての海外留学は、本当に楽しく、一生の宝物になりました。
なにがそんなに宝物になったかというと、やはり、人との出会いです。ルームメートの韓国人、一緒に北九州から中国へ渡り生活した同じ大学の5人の先輩と友達、寮やクラスで知り合った日本人や外国人、そして広い場面で出会った中国人と学校の先生。誰も、今回この時期に中国に留学していなければ出会えなかった人なので、この出会いはとても貴重に思います。
韓国人のルームメートとは、前期(2007年2月から7月まで)に寮の二人部屋で同じ部屋で生活した友達と、後期(2008年8月の夏休みから帰国する2008年2月まで)に学校の近くのアパートでルームシェアした友達、2人のことです。便利なことに、日本語の外来語と韓国語のそれは発音がとても似ており、この利点はおしゃべりをするときは大いに活用できました。私は、せっかく出会えたルームメートとは絶対に仲良くなりたかったので、今日クラスであった話や友達の笑い話など、ささいなことも面倒くさがらず積極的に話すように心がけました。そうすることによって、おのずと語学力も伸びました。特に、相手が使った単語のうち、自分が知らなかったものは、あとで辞書をひいて調べると印象づけられて自然に頭に残りました。ルームメートとは、一緒に買い物へ行ったり、ご飯を食べたり、DVDを見たり、そして何より朝起きたときから夜寝る寸前の顔まで見つくしているので、何か特別な存在になりました。別れるときはさびしかったですが、また会える気がします。
もう一つ言及したいのが、ある一人の中国人の友達です。彼女は、私が家庭教師として日本語を教えていた相手の方です。日本との貿易会社に勤めている彼女は、もうすでに子供がいること、仕事が忙しいことで、日本へ留学する夢がかなえられずにいました。そこで、大連で日本人を探し、ネイティブな日本語を学ぼうと決意されたそうです。勉強以外にも、彼女は私を積極的に誘ってくれて、スーパーで日常品を買ったり、子供さんのスケート教室に一緒に参加したり、とふれあう機会をたくさん設けてくれました。私は、その行動力は見習うに値すると思います。私も、帰国後その気になって探せば、中国人をはじめ、外国人と知り合いになることができるのだと気づかされました。帰国した現在、紹介を通じて、日本で4人の中国人と知り合いになりました。彼女たちとは、この家庭教師の中国人のように、積極的に交流していこうと思っています。
留学中は、勉強面ではクラスのレベルについていけず挫折しそうになったり、生活面では中国人のマナーのレベルの低さに苛立ちを感じたりしたことも、多々ありました。エピソードをあげれば、きりがないほどです。しかし、一年だけの留学生活だと思えば、なんてことないものばかりです。帰国後、周りから"留学どうだった?"と聞かれると、私は"本当に楽しかった"と心から答えています。なにもかもひっくるめて、学生のうちにこんな多くのことを経験できたのは、本当に幸せです。最後に、学生のうちにこの素晴らしい機会を与えてくれた家族と周りの方へ、感謝しています。