外国語学部

中国留学体験記 後藤由佳

私は2006年3月から2007年1月まで大連外国語学院に留学しました。大連外国語学院へは北九州市立大学から交換留学で毎年派遣しており、私は交換留学生として留学しました。

今回の留学は私にとって初めての中国でした。私は2年間日本で中国語や中国について勉強していました。しかし、実際行くとやはり文化の違いや言葉の壁に苦しみました。

まず、授業についてですが、私は前期・後期ともに中級のクラスで、精読、閲読、聴力、口語、中国文化や翻訳について学びました。当たり前ですが、すべて中国人の先生が中国語を話します。初めの頃はまったく聞き取れず、宿題さえも何なのかわかりませんでした。耳が慣れてくると、授業の内容もわかるようになり授業を楽しむことが出来るようになりました。授業を楽しむためには当然ですが、予習や宿題、復習をすることは大前提なことです。中国に行ってその大切さに改めて気がつきました。また自分の意見を発表するとき、私は他のクラスメイトのようになかなか流暢には話せないので、はじめは嫌でたまりませんでした。しかし、クラスメイトと打ち解けていくうちにその悩みも解決されました。授業において大切なのは、慣れと自分の努力だと思いました。また、私は選択授業も受けました。正直私は中国に行くまで、中国の文化に興味がほとんどありませんでした。私は前期には横笛を、後期には中国画を選択しました。横笛は日本でフルートの経験がありましたが、呼吸の仕方などがやはり違い、また音色の美しさに私はすっかり魅了されました。中国画は、墨と水彩絵の具を使い、花や果物を主に書きました。実力はまだまだですが、二つとも本当にいい経験になりました。留学する人にはぜひ、中国の文化を学んでほしいと思います。

つぎに、生活面についてですが、私は1年間寮で暮らしました。大連外国語学院は留学生の寮と学校が同じ建物なのでとても便利でした。寮には生活に必要なものは大体そろっており、近くのスーパーで何でも買えるので特に困ることもありませんでした。食事についても、行く前はとても不安に感じていましたが、学校の近くに日本料理も韓国料理も、中華料理の店もたくさんあり問題ありません。どの店も安く、量も多くおいしいので、中国にきて太ってしまう人が多いです。少し市外に出れば、中国的には割高ですが、日本的な居酒屋や日本料理の店はとても多く日本と変わらない生活を送ることが出来ます。

また、私は留学中に旅行にも行きました。西安と泰山、そして上海です。西安は歴史ある町で、兵馬傭など教科書で見たことのある遺跡や史跡をめぐりました。西安の町は京都が平安時代モデルにしていただけあって、京都の町並みに少し似ているそうです。泰山は中国の五大山の一つで頂上まで登りました。登り道はすべて階段で万里の長城に似ているそうです。とてもきつかったですが、頂上は本当に空気もきれいですばらしい景観でした。一生忘れることはないです。上海は、本当に大都会でした。大連も十分に私的には都会なのですが、上海はほんとうに感動の連続でした。まず、外国人だと私はどうみてもわかるので、英語で話しかけられます。これは今までいったどの地域でもなかったことで驚きでした。日本のお店も多く、まるで東京みたいというのが私の印象です。上海の夜景は今まで見た中で一番の夜景です。機会があればまた行きたいと思いました。

最後に、中国への留学での一番の財産は友達です。私は前期・後期ともに韓国人ばかりのクラスではじめは嫌でたまりませんでした。しかし、韓国人の友達はわからないことは熱心に教えてくれるし、人のこと考えてくれる子ばかりでした。文化の違いでけんかになったこともありました。でもそんなことがあったからこそ、私は違う国を本当の意味で理解することが出来たと思います。普通に生活している中で、毎日韓国語を聞いていると少しずつ勉強しなくても韓国語の意味もわかるようになり、勉強にもなり新たな興味もわきました。

中国人の友達とも相互学習をしました。主に授業でわからないことの質問でしたが、フリートークで日本や中国の最近の流行なども話したりして本当に楽しいものでした。私がどうしても受け入れられなかった習慣の一つに、手をつなぐということがあります。中国人の女の子は仲良しの証として、移動の時手をつなぎます。日本ではなかなか街を友達と手をつないで歩くというのはないことですが、中国では一般的なことなので中国の至る所で目にします。相互学習の友達も仲良くなると、移動の時手をつないできました。私はやはりはじめは受け入れられずけれど伝えることも出来ず困っていました。しかし、ついに伝えたときその子も文化の違いに驚きながらちゃんと受け入れてくれて、これこそが相互学習なのだと思いました。文化の違いを理解しあうことのすばらしさを学びました。日本人の友達も私はたくさん出来ました。中国にはいろいろな境遇の人たちがいました。私は今まで華僑の人と知り合ったことがありませんでした。華僑とは中国人やハーフの人たちですが、外国で仕事をしている人たちです。大連にはたくさんの華僑の人がいました。みんな中国語も日本語もとても流暢に話せます。私はいろんな文化の違いや中国の歌をたくさん教えてもらいました。また国籍など多くの問題についても話を聞くことができ、本当に勉強になりました。

私は中国に行って失った大切なものももちろんあります。しかし、中国への留学は私の人生においてとても大きな財産です。語学はもちろんのこと、中国の文化や他の国の文化、人との出会いでさまざまなものを得ました。帰国のとき、心から中国に来てよかったと思えました。私はそれが留学において一番の幸せだと思います。このような機会を与えてくれた家族、日本や中国で支えてくれた友達、すべての人に感謝しながらこの経験をもとに、これからの人生がんばっていこうと思います。

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