外国語学部

大連留学生活の収穫 2006年1月 古賀悠太郎(2005年度派遣留学生4年次派遣中国語専攻)

私は2005年3月から2006年1月の間、派遣留学生として大連外国語学院で中国語を勉強しました。帰国直後の今、約1年間の留学生活を振り返ってみると、留学を通して本当に多くのものを得ることができました。そこでこの文章では、今回の留学を通して私が得たものをいくつか紹介したいと思います。

1.言語力の向上

「中国に留学したら中国語を話せるようになりますか」と聞かれることがあります。「なります」。ただし、どの程度進歩するかはその人の努力次第です。中国で生活しているのですから、中国語を使う機会はたくさんあります。そのチャンスをいかにものにするか。現地で中国語力を伸ばす最大のコツは「外に出ることを億劫がらないこと」だと思います。私はこの1年間、授業以外の時間はできるだけ外に出て、中国人の友達をたくさんつくって、街で習いたての中国語をたくさん使ってみるということを意識してきました。実は、慣れない外国での生活からストレスをためていた4月、5月ころは、中国語で話すのがとにかくめんどくさく感じていました。しかし、そんな時こそがんばって、中国人と交流する機会をたくさんつくって、その時にできるだけ簡単な中国語をたくさん使うことにしました。とにかく中国語で話す習慣を身につける、ただし難しい中国語はできるだけ使わない。そういう努力を繰り返すうちに、だんだんと中国語を好きなだけ使える環境がとても楽しく思えるようになりました。自分の中国語力、特に会話力に自身がついたのはそのころだと思います。

大連は日本語を学んでいる学生がとても多い街です。日本人と友達になりたいと思っている中国人の学生はたくさんいます。こちらにその気があるならば、たくさんの中国人の友達と知り合って、仲良くなることができます。また、日本語を学んでいない人でも、日本人に親しみを持っている人はたくさんいます。留学中はぜひとも、机の上での勉強だけではなく、積極的に外に出て、いろんな人たちと交流する機会を自分からたくさんつくっていきたいものです。それが、言語力の向上にもつながるのです。

2.音楽

せっかくの留学生活だから中国語だけではもったいない。そこで、中国語のほかにもう一つ自分が本気で打ち込めるものを探したいと思って、ピアノを始めることにしました。なんとなく中国語に、そして留学生活に行き詰っていた6月ごろ、大連で知り合った日本人留学生の友達に誘われて、学校の近くのあるピアノ教室に行くことにしました。実は、小さい頃ピアノを習っていたのですがずっと前にやめており、今回弾くのは本当に久しぶりです。

現地での趣味や息抜きとして始めたピアノですが、このピアノを通しても本当にいい経験をたくさんしました。例えば、私がピアノを練習しているということを知っている中国人の友達に誘われて、大連外大の学生が主催する日中文化交流のイベントでピアノを弾かせてもらったり、漢学院主催の新年カラオケ大会で特別にピアノの弾き語りをさせてもらったり(ピアノは初心者レベルなのに......)、中国語で歌いながらピアノを弾くというのはなかなか大変でしたが、ステージに立たせていただけたのは光栄でした。

それに、いつも学校で練習していたので、音楽に興味があるいろいろな国の人たちと友達になることができました。もちろん、中国で中国語を勉強しているというだけでもたくさんの友達ができるのですが、中国語のほかにピアノというもう一つの「道具」を持っていることで、友達の幅がより広がって、それだけ自分の世界が大いに広がりました。これは本当にすばらしいことだと思います。

「音楽は国境を越える」といいます。だから、外国人の友達をつくるのに音楽は大いに役に立つかもしれません。でも、私は音楽じゃなくてもいいと思います。ただ、これから留学に行く皆さん、ぜひ、中国語以外に何か一つ自分が一生懸命に打ち込める趣味を持つようにしてください。留学中は自由な時間が比較的たくさんありますから。語学をやって趣味を持てば、自分の世界が大いに広がりますよ。

3.現地で知り合ったたくさんの友達

そして、私にとってこの留学生活一番の収穫は、大連でたくさんの友達と出会えたことです。大連外大には、日本語を積極的に勉強している中国人の学生がたくさんいます。そのような学生たちと交流することで、お互いに励ましあうことができました。中国人の友達は、もちろん言葉の学習という意味でも私の中国語の進歩を大いに助けてくれました。さらに、中国人の友達を通して、中国人の文化、習慣、考え方などを学ぶことができ、本当の意味で中国という国を理解することができました。これは、ある意味では語学の進歩よりも大きな成果だと思います。せっかく大連で出会うことができた貴重な友達たちです。今でも、日本語と中国語の両方を使ってパソコンでメールのやりとりをしています。もし、また大連に行く機会があるならば、その時に大連の地で友達たちと再会できたらいいなと思います。

中国語に「多個朋友多条路(duogepengyouduotiaolu)」という言葉があります。いい友達をたくさんもてば、それだけ人生観が広がるという意味だと思います。今回の留学生活でたくさんのいい友達と出会うことができて、留学生活で起こるいろいろなことを一緒に経験することができたのは、私の今後の人生にとっても本当に貴重な財産です。

今回の留学生活で得ることができたものを挙げると、本当にきりがないほどです。私がこのようないい経験をできたのも、この留学生活を支えてくださった多くの方々のおかげです。そのことを肝に銘じて、この一年間支え続けてくださった全ての方々に、感謝の意を表したいと思います。同時に、これから留学に行く皆さん、自分なりにいい目標を持って、せっかくの留学生活を楽しいものにしてください。また留学に行くかどうか迷っている皆さん、状況が許すならば、迷っていないで是非海外に飛び出してください。絶対にお金にはかえられないほどいい経験をして国に帰ることができますから。留学経験者の私が保証します。この文章を読んでくださった皆さんに対する感謝と応援の言葉をもって、この文章を閉じたいと思います。ご精読ありがとうございました。

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