文学部 比較文化学科
タイトル | かぐや姫はどこから来たの? |
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内 容 | 『竹取物語』には、かぐや姫は月から来たと書かれています。なぜ月なのでしょう。『竹 取』には中国文学の影響があちこちに見られます。月に天人の住む理想世界があるという考えは中国の神仙思想によるもので、海外との交流によって日本へもたらされました。物語では帝がかぐや姫に求婚しますが、天上の女性に地上の男性が恋をする話も、中国で人気のモチーフでした。このように、物語は多様な文化の混じり合う豊かな環境から生まれ、作られた後も、映画など様々なメディアで古い物語が現代的にアレンジされるように、時代を超えて獰猛に変化し続けます。授業では、「どこから?」という問いをきっかけに文化のダイナミズムを学びます。 |
タイトル | 平安時代に遣唐使が廃止されて中国の影響が薄れ、その結果、日本独自の「国風文化」が生まれたというのは本当ですか? |
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内 容 | 遣唐使は菅原道真の意見によって廃止されたとされていますが、実はその50年以上前の838年以来途絶えていました。9世紀に入って博多の港に唐や朝鮮半島の新羅の商人の船が来航するようになり、財政難にあえぐ朝廷が政府の予算で危険を冒して船を派遣する必要がなくなったためです。むしろ、国家に独占されていた日本と中国との交流の担い手が商人や荘園領主といった民間の手に移ったことで、遣唐使の時代より交流が深まりました。つまり「国風文化」は中国・朝鮮との交流が活発になる中で生まれたのです。こうした地域間の文化の比較や交流の歴史を深く学ぶことで、見落とされている身の回りのさまざまな事実を発見することができます。 |
タイトル | サッカーの試合中に興奮した選手がボールを持って走り出したのがラグビーの起源? |
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内 容 | イギリスに古くからあるフットボールは、手を使ってもよいどころか、相手を蹴ったり殴ったりすることも許される、荒っぽい競技でした。それが、近代に入ってルールを洗練させていく過程で、ボールを持って走ることを認めるかどうかで議論が起こり、結局、それを認める人たちが、サッカーと袂を分かってラグビーを作ったのです。イギリスは様々なスポーツの発祥の地と言われていますが、その背景には、異なる階級同士の対立、新しい価値観の誕生など、イギリスの歴史が深く関わっています。スポーツのような身近な話題から、1つの国や地域の文化や歴史を更に深くまで知ることができるのも、比較文化学科の特徴です。 |