外国語学部

カリキュラム概要

 (1) 外国語教育科目群

■ 英  語

<目的>

学科の教育目標を達成するために英語の運用能力を重視し、その習得を徹底します。

<特色>

クラスの大きさを25人程度とし、入学してから3年間に22単位を習得しますが、1〜2年次に集中的に学びます。

○英文法・英作文

これからの国際社会では英語の情報を素早く正確に処理し、利用する能力が求められます。また自分のほうから情報を英語で発信することが必要になります。この授業では、英語の単語力と英文構造についての十分な知識を身につけ、正しい平易な英語で書くための基礎的な英語作文技術を習得することを目指します。

○英語表現法

一年次に身に付けた英語の読解力や聴解力、表現力を土台に、自分の意見や情報を効果的に英語で伝達し、討論できる為の技術を習得することで、英語による発信力を伸ばすことを目標とします。

○英語論文作成法

英語で論文を書く前の準備、計画の立て方、テーマのきめ方、文献・資料の集め方、メモの取り方、論文構成の仕方、速読・多読のこつなど、論文の書き方の基礎から完成までを指導します。

○EnglishPracticum1

多種多様な場面設定のもとに、日常的コミュニケーションを通して、英語による様々な自己表現の技術を身につけます。

○EnglishPracticum2

旅行や留学、ビジネスなど、様々な場面で必要となる実践的な英語によるオーラルコミュニケーション能力やライティング技術を身に付けるための演習を行います。

○EnglishPracticum3

英文の資料を用いて英語でディスカッションし、またフィールドワークによるグループ研究を英語で発表するなど、英語による高度なプレゼンテーション技術を学びます。

 (2) 専門教育科目群

■専門基礎科目

○入門演習I・II

入門演習I及びIIは、今後皆さんが大学で4年間にわたる学習を進めていく上で最低限必要となる技法の修得を目指すために行われる演習形式の科目です。言わば大学での勉学に関するイロハを身につけるための演習です。

○国際関係論Ⅰ

国際関係分野における様々な専門科目を履修する上で必要不可欠となる基本概念や、冷戦期からポスト冷戦期に至るまでの主要な国際問題について取り上げ、リアリズム、リベラリズム、社会構成主義などの主要な理論について学習します。

○国際関係論Ⅱ

今日の重要な国際問題について入門的に取りあげつつ、国際的な諸問題を理解する視点を養います。時事的な解説と勘違いしてはいけません。テーマは、現代の国際紛争、国際的な貧困と開発に関わる諸問題と国際協力、国際人権問題、地球環境問題などです。こうした問題を取りあげつつ、様々な問題が相互に関連しあっていること、今日の地球社会が単に国家間関係だけではとらえきれず、国家以外のアクターの役割にも注目しなければ理解できないことを浮き彫りにしたいと思います。

○国際関係史I

20世紀の国際政治史を欧米中心に講義します。国際政治を規定した構造の発展と第二次世界大戦後の諸事件に重点を置きますが、構造分析にせよ近年の出来事にせよ、次々と新たな見解が発表されています。本講義では、折りに触れてそうした研究の紹介を行い、講義の冒頭に配布する参考文献のリストの補足を行います。なお、邦語文献では信頼できるテキストがないので、受講者が積極的に欧文の参考書を読むことを期待します。

○国際関係史Ⅱ

普通、国際関係史といえば、欧州の近代国際関係の始まりとされるウエストファリア条約(1648年)以来の事を称してきました。それは、間違っているわけではありません。ただし、それが欧米中心的な見方に陥り、非欧米地域や国家間の国際関係史を副次的な叙述に止めたりすることを警戒しなければなりません。本講座の目的は東アジア地域国家(主に日本、中国、朝鮮・韓国の三国)の国際関係を前近代、近代、現代に分けて概観し、21世紀における新しい国際関係を考える糧にすることにあります。

○地域研究入門(アメリカ)

この授業では、アメリカ合衆国が現在にいたる経緯を概観し、歴史・政治・経済・外交・文化など各分野の現状についての基本的、総合的な理解を深めます。特に、多人種・多民族社会としてのアメリカの特質を知るために、人種問題やその解決への努力にも注目します。

○地域研究入門(中国)

現代中国を理解する上で必要な政治的・経済的知識の習得を目指します。最初に、社会主義中国について、イデオロギー・経済体制・政治体制を学び、それらの関連性について概観します。次に、改革開放時代の中国について、路線変更の理由や既存のシステムとの相違点などを概観し、現代中国への理解を深めます。

○地域研究入門(朝鮮半島)

19世紀中葉から列強の圧力を受けた「朝鮮」は日本による36年間にわたる植民地支配を経た後、韓国と北朝鮮という2つの敵対する国家に分裂するに至りました。「朝鮮」は、分裂の前も後も、アメリカ、ロシア(旧ソ連)、中国、日本などの大国の影響を強く受けてきました。この科目では、朝鮮が日本の植民地となるまでの経緯、日本による植民地統治、分断国家の誕生の経緯、韓国・北朝鮮の政治・国際関係の特徴について学びます。

○地域研究入門(東南アジア)

東南アジア地域の歴史、植民地支配下における多元的な社会の形成、独立や国民国家建設、地域の国際関係、リージョナリズム(地域主義)、さらには、そこに生きる多様な人々の日常に思いをはせることができるような講義を行います。

■専門科目

○英米文化概論I・Ⅱ

英米文化を織りなす基本的要素をとりあげ、講義する。英国に関しては、王権と議会を中心とした国制のあり方とそれを支える制度と意識の変容が中心となります。米国に関しては、自由主義・共和主義・革新主義といった植民地建設から現代までの諸理念が焦点となります。

専門科目A群(地域研究科目)

○アメリカの政治I・Ⅱ・III・IV

アメリカ政治の基礎について講義します。21世紀のアメリカ合衆国を理解するため、I、Ⅱでは20世紀に成立した現代アメリカ政治の構造とその発展を、III、IVではそうした現代アメリカの前提となった植民地時代から革新主義期までの時代の政治を講義します。講義の冒頭で参考文献リストを配布しますが、テキストは用いないので、参加者は積極的にリストと講義で示した書物を読んで下さい。

○アメリカの社会Ⅰ・Ⅱ

アメリカ合衆国の人種的・民族的多様性をその起源にさかのぼり歴史的に概観するとともに、現在のエスニック状況も考察します。また、近年アメリカ合衆国で起こった、ないし起こりつつある出来事の中から顕著なものを取り上げ、各項目について具体的事例、その歴史的背景、争点、多様な見解を解説します。

○イギリス研究I・Ⅱ・III・IV

イギリスはかつての覇権国家です。日本と同様の島国であり、共通点も多いと思われるが、その社会や政治は独特の発展を見ました。この授業では、そうしたイギリスの特徴を幅広い観点から考察することで、国際人としての感覚を涵養しようと思います。

○中国の政治外交I・II

中国政治や外交に影響を及ぼす要因を理解するために、中国近現代史の歩みを概観します。例えば、社会主義国家の建設、国内の権力闘争、文化大革命、改革開放への転換などを取り上げ、それぞれの関連性と今日的視点を意識しながら議論していきます。後半では、政治構造・政策決定の仕組みや、主要国との外交関係について学習し、現在の中国が直面している主要な問題について紹介します。

○韓国・北朝鮮の政治外交I

この科目では、冷戦後期とそれ以降の韓国・北朝鮮の政治外交について、特に対日関係に焦点を当て、検討します。具体的には、日韓の歴史問題・領土問題・経済問題、日朝の国交正常化問題や拉致問題などを検討し、両国と日本との関係について理解を深めます。

○韓国・北朝鮮の政治外交II

この科目では、冷戦後本格化した北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルなどの大量破壊兵器開発問題に焦点を当て、この問題の背景、この問題への韓国及び主要関係国である日米中露の対応とその問題点を検討し、この問題についての理解を深めるとともに、北東アジアの国際政治についての理解を深めます。

○東アジア地域秩序論Ⅰ・Ⅱ

21世紀は「アジア(太平洋)の世紀」と言われています。本当にそうであるかは定かではありませんが、今後、アジア地域の重要度が増していくことは確実です。しかし、アジアのなかでも東アジアは国際関係の相互理解や地域秩序の共同構築の面において、世界で最も立ち後れている地域です。しかも、この地域の諸国家は、近代以来、欧米中心的な近代主義やオリエンタリズムを養い、現代でもそこからあまり脱皮できず、域内の国際関係や秩序構築を考える際にはほとんど欧米の学説や理論に依拠しているのが実態であるといえます。本科目では「アジアから考える」問題意識と「文明論」的な視点に基づいて、東アジア地域秩序の歴史、現状、将来を学習します。

○東アジア経済論

この講義では、著しい東アジアの経済発展について概観するとともに、とりわけ経済発展での「成功」とともに「挫折」も経験した点で際立っており、日本(九州)と密接な関係を持っている韓国経済を中心に、発展戦略や構造的問題点角を明らかにしていきます。そして、日本や台湾、中国などと比較することで、東アジア経済に対する理解を深めていきます。

○アジア地域統合論

この講義では、発展途上国の地域協力機構として唯一成功しているASEAN(東南アジア諸国連合)を取り上げて、その歴史、意義、課題、さらに国際関係における位置づけを考察します。また、ASEANが中核となって設立されたアジアの多様な地域協力についても考えたいと思います。

専門科目B群(国際関係科目)

○国際政治経済論Ⅰ・Ⅱ

国際政治経済学の主要な理論について、各理論の世界観、国際問題のとらえ方や位置付けなどを中心に学習する。また、ブレトンウッズ体制など戦後の国際経済体制を中心に、政治と経済が相互に関連しあっている国際政治経済の諸問題について検討します。

○国際機構論Ⅰ・Ⅱ

現代世界には、国連をはじめ数百もの国際機構が存在し、活動しています。これらの機構は、国家の運営にとって、あるいは私たちの日常生活にとって、不可欠の役割を担っています。国際機構論では、国際機構が担う役割がいかなるものであり、かついかなる可能性や問題点をもっているのかを具体的に検討します。

○国際協力論I

この科目では、政府による国際開発協力(政府開発援助=ODA)に焦点を当て、その歴史、仕組み、課題などを取り上げながら、それが行われる政治的動機や国家間関係を取り巻く国際政治的要因について考察します。その上で、国際社会は世界規模での諸問題の解決にどのように取り組んでいるのかを学習します。

○国際協力論II

この科目では、平和構築と呼ばれる活動に焦点を当て、紛争後の復興問題に国際開発協力活動がどのように関わるようになったのかを学習するとともに、そこに平和維持活動(PKO)と呼ばれる国際平和協力活動がどのように関わることができるのかを学習します。

○国際人権論

人権概念は、歴史的な産物であり、その中身は現代でも日々刻々と変化しています。人権は、国家により保護されるべきものですが、もはや、国家のみでは十分には対応できなくなってもいます。国際人権論では、人権が国際的にどのように対応されているのかを、国際機構の活動や「人権外交」の展開を通じて検討します。

○世界経済論Ⅰ・Ⅱ

この講義では現実の世界経済の動きを理解するための基本的な経済知識と分析視角を身につけることを目的としています。まず貿易や投資などの経済活動分野についての基礎知識を習得して、次に主要国・地域の経済の特徴を明らかにし、発展途上国の貧困や地球規模での環境・資源問題など、世界が抱える主要経済問題を取り上げます。

○民族と国家

20世紀は「国民国家の時代」と言われています。「国民国家」とは、国家のなかに住んでいる人々が国民的一体性を共有している国家のことで、この国民国家を創る営みを歴史上ほとんどの国家が行ってきました。この講義では、アジアの発展途上国がその営みの中で、どのように少数民族を処遇してきたのかを考えます。

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