森田 洋/モリタ ヒロシ/Hiroshi Morita
所属 | 【学部】環境生命工学科 【大学院】環境システム専攻バイオシステムコース |
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役職/職名 | 教授 | |
学位(授与機関) | 博士(農学) 九州大学 | |
担当科目 | 学部:微生物学、食品工学、生物工学実験、環境生命入門実習、卒業研究 大学院:微生物機能学、微生物機能学特論、特別研究 |
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略歴 | 1999年 九州大学大学院農学研究科博士課程修了 1999年 国立八代工業高等専門学校生物工学科助手 2001年 北九州市立大学国際環境工学部環境化学プロセス工学科講師 2006年 同 助教授 (准教授) 2008年 同 環境生命工学科准教授 2014年 同 教授 |
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専門分野 | 微生物制御学、食品工学、生物資源工学 |
著書等
1)室内環境の事典、第2章:微生物 7-16:「殺菌・抗菌・除菌:化学的原理」、共著、朝倉書店、440頁、2023年9月
2)Bioluminescence Methods and Protocols Volume 1, Methods in Molecular Biology (Springer Nature), Luminescence of Aliivibrio fischeri in artificial seawater and its application in fungicide sensing, pp183-195, Published: 14 July 2022
3)抗菌・抗ウイルス性能の材料への付与、加工技術と評価、第3章 第19節 い草の抗菌効果とその応用、共著、株式会社技術情報協会、582頁、2021年3月
4)地域素材活用「生活工芸大百科」 藺草、共著、農山漁村文化協会、528頁、2016年12月
5)地域資源活用 食品加工総覧 追録第11号 第7巻 こうじ・特徴的な加工品 抹茶甘酒しろっぷ、共著、農山漁村文化協会、2014年12月
6)抗菌・抗ウイルス材料の開発・評価と加工技術、第1章 抗菌・抗ウイルス効果を持つ材料設計と高機能化、第13節 酸化チタンへの硫黄ドープによる可視光応答化と殺菌効果、共著、株式会社技術情報協会、363頁、2013年10月
7)イグサのすべて、森田 洋 著、新芽出版、176頁、2008年7月
8) i:gusa い草はいい草、森田 洋 監修、株式会社マガジンハウス、112頁、2005年4月
9)地域特産物の生理機能・活用便覧、第7章「九州・沖縄の地域特産物」第4節「熊本」Ⅰ「イグサ」、共著、株式会社サイエンスフォーラム、506頁、2004年9月
10)別冊家庭画報 〜よみがえる驚異の薬草〜 イグサ粉末が効く、森田 洋 監修、株式会社世界文化社、63頁、2004年8月
11)地域資源活用 食品加工総覧 第12巻「畜産・水産・昆虫・非食品資源」 イグサ・事例、共著、農山漁村文化協会、2003年4月
12)驚くべきイグサの機能性 〜食べても健康、敷いても健康〜、森田 洋 著、文陽舎、137頁、2002年12月
主な論文等
1)疎水比を向上させた機能性ポリマー(DAM/EMA)の抗真菌効果、室内環境、27(1)、43-52(2024)
2)DAMをカチオン性モノマーとした機能性ポリマーの抗カビ効果と化粧品防腐剤への応用、日本防菌防黴学会誌、51(5)、219-225(2023)
3)2-ブチルオクタン酸含浸不織布袋による小麦粉へのケナガコナダニの侵入阻止、日本防菌防黴学会誌、51(5)、211-218(2023)
4)体臭の原因とされる皮膚常在菌に対する分岐型脂肪酸塩の除菌活性、日本防菌防黴学会誌、51(4)、155-164(2023)
5)2-ヘキシルデカン酸カリウムの除菌活性と除菌液体洗濯洗剤への応用、室内環境、26(1)、15-27(2023)
6)分岐型脂肪酸によるケナガコナダニの防除効果と食品包装資材への固定化、日本防菌防黴学会誌、51(2)、51-59(2023)
7)DEAMをカチオン性モノマーとした機能性ポリマーのアカントアメーバに対する抗アメーバ効果、日本防菌防黴学会誌、50(6)、225-232(2022)
8)液体麹におけるゴマ及びスキムミルクの添加による耐酸性α-アミラーゼの増強、日本家政学会誌、72(5)、243-250(2021)
9)DEAMをカチオン性モノマーとしたポリマーの室内汚染カビに対する抗カビ効果、日本防菌防黴学会誌、48(8)、343-349 (2020).
10) Anti-Acanthamoeba effect of potassium isostearate for use as a multipurpose solution, Biocontrol Science, 25(2), 73-80 (2020).
11) Mite control effect of branched chain fatty acid on the house dust mite Dermatophagoides pteronyssinus, Biocontrol Science, 25(2), 63-71 (2020).
12)分岐型脂肪酸によるコナヒョウヒダニの防除効果、日本防菌防黴学会誌、48(5)、193-203 (2020).
13) Anti-amoeba Effect of Branched Medium Chain Fatty Acids and Their Salts on Acanthamoeba castellanii, International Journal of Chemical Engineering and Applications, 10(4), 96-100 (2019).
14) Application of Potassium Myristate as an Antifungal and a Dough Improving in Bread-Making, Biocontrol Science, 23(4), 223-227 (2018).
15) Control of Aliivibrio fischeri Luminescence and Decrease in Bioluminescence by Fungiciges, Biocontrol Science, 23(3), 85-96 (2018)
16) Role of Fatty Acid Salts as Anti Acanthamoeba agents for disinfecting contact lens, Biocontrol Science, 22(3), 153-161 (2017).
17) Antibacterial Effect of Fatty Acids Salts on Oral Bacteria, Biocontrol Science, 20(3), 209-213 (2015).
18)モウソウチク稈粉末のファイバーブレッドへの応用、日本家政学会誌、66(5)、187-196 (2015).
19) Simultaneous Increase of Glucoamylase and α-Amylase Production in Submerged Co-culture of Aspergillus and Rhizopus Strains, Japan Journal of Food Engineering, 16(2), 111-124 (2015).
20) Antifungal Activity of Fatty Acids Against Penicillum pinophilum, Japan Journal of Food Engineering, 16(2), 99-110 (2015).
受験生へのメッセージ
研究室では「食品」、「微生物」、「農業」をキーワードに教育研究を行っています。例えば、熊本のイグサや北九州合馬のモウソウチクの生理的機能性を解明し機能性食品に応用する研究や、バイオレメディエーションといわれるような微生物を用いた環境汚染物質の新規処理法の開発、更には石けんの成分や光触媒などを用いた病原性微生物や室内汚染微生物の防除方法について研究を行ってきました。また酒類製造免許(試験製造免許)を取得し、酒類醸造に関する研究も行っています。微生物や地域農作物をどのような形で活用していけば、発酵生産や環境浄化、有用資源の変換等に役立つかについて一緒に考えていけたらと思います。
企業メッセージ
わが国には地域の風土に根ざした多様な地域農産物があります。地域農産物は古くからそれらは四季折々の郷土料理の素材となり、その地で生活する人々の健康を支えているものが多いことでも知られています。これらの生理的機能性を見出すことで、生産者(農家)と消費者を結びつける架け橋となり、地域農業あるいは地域社会の活性化に寄与できればと考えております。また、これまで当研究室ではカキ殻を用いた河川の浄化や六価クロム汚染土壌及び多環芳香族化合物のバイオレメディエーションなど、生物資源(廃棄物)や微生物を用いたバイオコンバージョン、バイオレメディエーションについて研究を行ってきました。微生物の有効利用及び制御法に関すること、農作物や農水産廃棄物の有効利用または処理等に関することにつきまして、是非ご相談ください。
主な研究課題
1) イグサ・畳の機能性と新規用途開発に関する研究
畳表の原材料として広く知られているイグサの生理的機能性の解明を行い、さらにこれらの機能性に基づいた新規用途開発に係る研究を行っています。古来よりイグサが薬草として利用されてきたことに着目した機能性食品・抗菌剤等の開発や畳表の新しい機能性を探る研究を行っています。
2) 脂肪酸類による新規微生物制御法の構築
脂肪酸類に着目をして、室内環境で問題となっているカビ、ダニ、細菌、アメーバなどの新たな微生物制御法の構築を目指して研究を行っています。これらの成果などをもとにして、畳表や食品包装資材にカビやダニが繁殖しない手法の開発を行っています。
3) 東アジアの麹菌と日本の麹菌を共培養した麹を用いた酒類製造に関する研究
東アジアの麹菌であるリゾープス属菌と清酒の麹菌であるアスペルギルス属菌を共培養した新規麹を創生し、この麹を用いた清酒醸造に関する研究を行っています。2014年1月には北九州市の酒造メーカーのノウハウと、大学の研究成果であるオリジナルの麹、そして市内産の酒造用米「夢一献」を利用することで北九州市立大学第一号のブランド商品「ひびきのの杜」を創生しました。また液体麹を活用した新たな醸造法の確立についても検討を行っています。
4) モウソウチクの食用化に関する研究
北九州市内の竹林面積は全国有数の広さを誇り、小倉南区の合馬(おうま)地区ではタケノコの生産が盛んです。一方で侵入モウソウチクによる里山の荒廃が深刻な問題となっており、モウソウチクの新たな活用法が望まれています。モウソウチク稈には食物繊維が無水換算で94%もの量を占めていることから食物繊維の強化剤として食品産業に利用する研究を行っています。2015年2月にはクラウン製パン株式会社(北九州市)と「合馬のファイバーらすく」の共同開発を行いました。
発明特許
1) 「液体麹の製造法」特許第6699022号
2) 「アスペルギルス属菌とリゾープス属菌の混合培養系を用いたアミラーゼの生産方法」特許第5900871号
3) 「光触媒皮膜の製造方法及び光触媒皮膜」特許第5723883号
4) 「抗菌剤とその製造方法」 特許第5669943号
5) 「殺菌方法」 特許第5546575号
6) 「アルギン酸成形体の製造方法」 特許第5435723号
7) 「可視光応答型光触媒皮膜」 特許第5069637号
8) 「抗黴剤の製造方法」 特許第4977883号
9) 「バイオレメディエーション方法」 特許第4876086号
10) 「イグサ仕込みアルコール飲料の製造方法およびアルコール飲料」 特許第4326898号
11) 「イグサを用いた酵素の生産方法」特許第3798336号
12) 「イ草を用いた飲料及びその製造方法」特許第3658557号
13) 「イ草を使用した食品添加物及びその製造方法」特許第3652627号
14) 「イ草を用いたアルコール飲料の処理方法」特許第3561698号
最近の学外活動
2023年10月~現在 日本家政学会九州支部常任幹事
2023年6月~現在 Journal of Microorganism Control Editor-in-Vice Chief
2022年12月~現在 室内環境学会理事・出版委員長
2021年6月~2023年5月 日本防菌防黴学会編集委員
2015年〜現在 健和看護学院非常勤講師(生物学)
2011年〜現在 室内環境学会評議員(2013年1月〜 九州支部役員)
2011年〜現在 日本防菌防黴学会評議員
2011年〜現在 西南女学院大学非常勤講師(食品の官能評価・鑑別論演習)
【受賞】
・日本防菌防黴学会研究賞「天然系抗菌性物質の防菌防黴効果とその応用研究」(2023年5月19日)
・平成25年室内環境学会学術大会大会長奨励賞「脂肪酸塩によるカビ汚染の制御」
・特別功労賞(全国畳産業振興会)(2013年4月1日)
・第4回ものづくり日本大賞 特別賞(経済産業省)「世界トップの高殺菌・消臭分解機能製品の開発」(2012年2月15日)
・敷物新聞社特別功労賞(2006年8月1日)