ご挨拶
国際環境工学部長(大学院国際環境工学研究科長兼務) 中武 繁寿(Shigetoshi Nakatake)
本学国際環境工学部は、21世紀幕開けの年である2001年、「北九州学術研究都市」の中核的機関として設立されました。以来、まだ短い期間ではありますが、産業技術の蓄積、アジアとの交流の歴史および環境問題への取組といった北九州地域の特性を活かしつつ、多くの優れた研究成果をあげるとともに、環境問題に対する深い認識(環境マインド)と国際的視野をもった人材を育ててきました。
20世紀における工業文明や高度経済成長の負の側面は、環境問題という大きな課題となって人類の前に立ちはだかっています。環境に関連する様々な課題は一部地域のものだけでなく地球規模の問題として認識されるようになりました。その規模の大きさゆえ、原因解明や有効な対策を立てることは容易ではありませんが、解決に向けて一刻も早く取り組まなければなりません。それにはより広い国際的な視野で、より広域的で多面的な人材育成や研究開発を展開していく必要があります。
本学部は、このようなニーズに応えるため2008年度に大規模な学科の再編を行いました。その後も、教育研究の持続的発展を推進するため、柔軟で積極的な運営に取り組み、2019年度から新しいカリキュラムがスタートしました。また、文部科学省の「質の高い大学教育推進プログラム(事業名称:地域密着型環境教育プログラムの戦略的展開)」に続き、「大学生の就業力育成支援事業(事業名称:地域教育及び産業との連携による人材育成)」に選定され、学部学生の自主性、社会性、職業観を培う教育を進めてきました。さらに、大学院では正規のコースに加え、「戦略的水・資源循環リーダー育成」や「カーロボAI連携大学院」、「医歯工連携教育プログラム」において、行政、産業界、学術研究都市内他大学院などと連携しながら次代を担うリーダーとしての実践力を有する高度専門人材を育成しています。
地域の、そして国内外の、意欲と情熱をもった皆さんが、国際環境工学部で学び、そして成長し、新しい時代に必要とされる人材として育つことを期待するとともに楽しみにしています。