ひびきのキャンパス

バイオシステムコース

バイオシステムコース 概要

 遺伝子操作、生体触媒、機能性微生物などのミクロなバイオテクノロジーから、バイオマスエネルギー、生物地球化学的物質循環、ビオトープなどのマクロなバイオシステム工学まで、生物と関連した環境工学に関して総合的な教育研究を行います。環境修復への生物機能の利用と次世代型生物環境システムの構築に向けて、関連する分野で専門的能力を発揮できる技術者を養成します。

教育・研究内容

 遺伝子操作、生体触媒、機能性微生物などのミクロなバイオテクノロジーから、バイオマスエネルギー、生物地球化学的物質循環、ビオトープなどのマクロなバイオシステム工学まで、生物と関連した環境工学に関する総合的な教育研究を行います。

生命材料工学分野

●マテリアル設計に基づく薬物送達・遺伝子導入システムの開発
●分子プリント・モデリング技術を利用した環境調和型エコマテリアルの開発
●MEMS技術を利用したバイオチップ・マイクロリアクター、再生医療技術の開発

生物生態工学分野

●生態系の評価とそれに基づく環境修復・環境保全技術の開発
●微生物や地域農作物の多種多様な機能性を利用した研究開発
●植物や動物細胞を用いた環境応答システムの解明と環境評価への応用

教育の特色

 バイオシステムコースの教育システムは、他大学にありがちな学科積み上げ型の形式はとらずに専攻間やコース間の垣根を低くしてできるだけ幅広い授業科目の選択が可能な履修制度を導入しています。これにより幅広い知識と柔軟性を持ち、なおかつ自立して問題解決する能力を備えた高度専門エンジニア及び研究者を養成しています。

メッセージ集

教員からのメッセージ

教授 森田 洋(バイオシステムコース長)

 地球上には様々な生物種が生育しており、その数は既に知られているだけで約170万種ともいわれています。これらの生物は種によって形や性質が異なり、生命活動を維持するための仕組みも多様であり、また緻密な機構を有しています。最初の生命体である原核生物から始まり、膨大な年月をかけて進化した生物の見事な多様性、精密さを活用する技術こそが、「バイオテクノロジー」の根幹であると考えています。またマクロな視点で考えてみると、約170万の生物種の間や種内では、捕食‐被食の関係、競争、共生、寄生、群れ、テリトリー、順位制など、様々な相互作用システムが存在しています。このような「バイオシステム」の成り立ちや挙動などを解析することは、私たちの地球環境を理解し、維持していくために欠かすことのできない技術にもなります。「工学」という学問領域は、ヒトと社会に有用なものを創りだすことを大前提としています。国際環境工学研究科環境システム専攻に属するバイオシステムコースは、環境に係る「バイオテクノロジー」や「バイオシステム」を通して、人類社会に貢献するための総合的な教育研究を行っております。バイオシステムコースは10名の教員で構成されています。それぞれの先生が特色のある研究を行っておりますので、ホームページ等や毎年7月に開催されるオープンキャンパスをご覧になるか、あるいはアポイントを取って研究室を訪問してみるのも良いでしょう。教育の面では、「ものづくり」人材育成のための医歯工連携教育プログラムや北九州学術研究都市内の単位互換制度など、専門領域にこだわらない分野横断的な幅広い知識の修得を目指すことで、高度で自立した専門技術者・研究者・教育者の養成を行っております。また、コミュニケーション力の向上と国際競争力の強化を目的として、研究活動(特別研究)を通じて得られた成果を国際会議等で発表する支援制度もあります。「バイオテクノロジー」や「バイオシステム」に強い興味と探求心をもち、将来は本大学院で学んだことを活かして社会で活躍したいという強い意欲をもった皆さんの入学を心から歓迎いたします。

在学生からのメッセージ

内山 大輝さん(博士前期課程2年)

 私の所属する研究室では、生体分子が細胞内外の環境を作り出す仕組みについて研究を行っています。私自身の研究では、骨形成細胞の分泌物による、骨や歯などの石灰化形成の制御ついて研究を行っています。大学院では、その分野のプロフェッショナルの先生の下、座学だけでは分からない専門分野の知識が学べます。さらに、研究を進めるにあたってPlan(計画)Do(実行)Check(評価)Act(改善)を繰り返すことで、PDCAの実行力が自然に身についたと私は感じています。それは社会人になっても必ず役に立つものなので、私の自信にもなっており大学院に進学して良かったと思っています。一方、大学院で苦労したことは、どうしても実験に時間を取られてしまうこともあるので、スケジュール管理が難しいところです。実験と私生活のバランスを取ることが、有意義な研究生活を送るポイントだと思います。社会に出て大学院のような環境で、自由に研究をできる機会は無いと思います。大学院でしか得られない経験があることは間違いありません。現在、進学と就職を迷っている人は社会に出る前に、もう一度自分のやりたい事を考えてみてください。そして、大学院への進学も検討してみてはいかがでしょうか。

松本 紗葵子さん(博士前期課程2年) 

 私が大学院に進学して良かったと思うことは、大学ではできなかった経験が多く積めたことです。実験はもちろん国内外の学会発表や論文投稿などたくさんの貴重な経験が出来ました。逆に苦労したことは、研究が思うように進まないことが多かったことです。しかし、それに対して研究室のメンバーと議論したり、本や論文を呼んで調べたり試行錯誤することで、問題を乗り越えたときや新しい発見が生まれたときはとてもうれしいですし、その過程で学ぶ事も多いです。現在私は、有機合成した界面活性剤が形成するミセルの構造を放射光X線などのさまざまな測定を行い分析する研究を行っています。実は、研究室に入った時にはX線のことはほとんど知らなかったのですが、ゼミや勉強会で知識をつけ大変興味を持つことができ、さらに深めたいと思うようになりました。大学院では新しい分野に出会えるチャンスもあります。将来は企業で化学系のものづくりの仕事に携わり、新しい製品を世に出すことを目標としており、大学院で身につけた知識や、困難な研究に取り組んだ経験は企業でも必ず役に立つと思っています。大学院に進学するかどうか迷っている皆さんも、ここでしか出来ない経験が詰まった有意義な二年間を過ごしてみませんか?

卒業生からのメッセージ

三和酒類株式会社 製造部製造課 佐藤 貴裕さん

 私の場合、大学入学当初より食品製造業界に興味を持っており、より専門的な知識を身につけたいと考えていたので、大学4年時には大学院進学をすでに意識していました。授業では様々な分野で活躍されている先生方の講義を受講することができ、幅広い知識が得られることは他大学院とは異なる長所だと思います。少数精鋭で設備が充実しているので、研究においては抜群の環境があると思います。また研究のみならず、最上級生となった最後の一年間は研究室運営等に苦労しましたが、指導教員の先生をはじめ、研究員の方々、共同研究先等、社会で活躍されている方々と出会い、良い関係を築くことができたことは、大学院の2年間でしか体験することのできないものだったと感じています。現在は、学生時代からの希望職種でもあった酒類製造業界で焼酎醸造に携わり、お客様により美味しいお酒をお届けするために日々精進しています。将来的には、更に醸造技術についての知見を身に着け、自分が一貫してプロデュースした商品を市場にお届けしたいと思っています!

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