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北九州市立大学

美術から
世界がみえてくる…
これが美術史の
一番面白いところ

文学部
比較文化学科
門田 彩 准教授

門田 彩 准教授

研究の魅力

 「絵なんて好きに見ればいい。」確かにその通りでもあります。でも、実は絵にも歴史があって、描き方のルールがある。「作品の見方」というものがある。どんなに突飛に思える絵でも、先人からの技法や考え方を受け継ぎ、その延長線上に位置づけられます。このことを知ると、美術作品からたくさんのことが見えてきます。人は美術で何を表現したかったのか――制作された当時の人々の考え方、社会、文化など、さまざまなことがらが分かってくるのです。
 美術史とは、人は何を目指してきたのか、どういったものを獲得してきたのか、という人類の歴史を探ること、いわば文明史です。美術から世界がみえてくる・・・これが美術史の一番面白いところかもしれません。

研究の源

 本物に触れることは楽しい。作品を目の前にするたびに思うことです。
 見ていて「好き」と思える作品、心地よい作品、胸が締めつけられるような作品・・・さまざまなタイプの作品を実際目で見て、画家やモデル、さらには描かれた時代や社会などの背景を探り、なぜその作品が誕生したかを研究する。作品に対し自分なりの解釈を導き出せたとき、最も心躍ります。

研究の未来

 近年、アートフェスが町の活性化に一役買っていたり、美術市場でアートが驚くほどの高値で売買されていたりします。これには賛否両論ありますが、いずれにせよ、美術が社会で果たすべき役割が広がり、その重要性が一層認識されてきた証です。そうした動向に目を向け、美術と社会とのかかわりをより広い視点でとらえていくことが今後の研究の支柱となりそうです。

ゼミのイチオシ

 西洋美術史の中心は「作品をみる」こと。ゼミでは美術史の通史から担当箇所を決め、毎回プロジェクターに作品を映しながら発表し、討議を重ねます。みんなで同じ画面を見て発表しあうと、自分だけでは気づきえなかった部分にも目を向けられます。作品のどこに注目するのかにもゼミ生の個性がうかがえます。作品を通し、それぞれの趣味や考え方などが見えとても面白いです。

先生のイチオシ

「美は細部に宿る」という言葉があります。細部にまでこだわって創作されたものだけが美しく見えるという意味です。そんな美に気づくためには、鑑賞者であるわたしたちの方も作品を丁寧に見ていく必要があります。

オフショット

コロナ禍によるマスク不足から「ないなら作ろう」とミシンを始めたら見事にハマりました。写真は、作った服を手に持ち、作った服を着ている私と娘(3歳)。最近、全身ハンドメイドで外出するのがひそかな楽しみです。

Profile

門田准教授
プロフィール

奈良県に生まれ、高知県で育ち、大学からは宮城県の仙台へ。子供の頃から漠然と研究職への憧れはありましたが、運動が好きで、美術館へは親に連れられて行くくらいでした。高校時代、将来について考え始めたとき、ぼんやりと美術にかかわりたいなあと思うようになり、大学では西洋美術史(東北大学大学院文学部)を専攻。もっと深めたいとそのまま大学院へ行き、スペインへ留学。帰国後、まずは美術館の学芸員として愛知県で就職。その後、広島県へ(ここでも学芸員)。学芸員の仕事はとても楽しいですがハードです。その根本にある美術史の研究をもう一度落ち着いて行いたいと思うようになり、計10年ほどの学芸員を経た後、2017年より本学の教員になりました。

門田准教授イラスト

文学部Faculty of
Humanities

  • 比較文化学科 生住 昌大 准教授
  • 比較文化学科 門田 彩 准教授
  • 人間関係学科 山下 智也 准教授
  • 人間関係学科 田島 司 教授
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