Loading...

北九州市立大学

過去をもとに
人々の行動を
科学するための学問。

経済学部
経済学科
土井 徹平 教授

土井 徹平 教授

研究の魅力

 歴史と聞くと、過去の事実をひたすら覚える退屈な作業をイメージするかもしれません。しかし歴史学は、「なぜ彼らはこのように行動したのか」考え、その選択を必然化した諸条件を分析する学問です。つまり過去を知ること以上に、過去をもとに人々の行動を科学するための学問なのです。

研究の源

 過去を史料からひも解く歴史学には、新史料の「発掘」によって、まったく新たな事実を明らかに出来る面白みがあります。そして「未発掘」の史料は、まだまだ全国にたくさん眠っています。実際、私が専門とする分野では、近年、数万点におよぶ史料が、新たに「発掘」されています。これらの史料が研究に広く利用されていけば、これまでの「常識」が、ひっくり返ることになるかもしれません。

研究の未来

 これまで歴史学は、ITとは縁遠い学問領域としてありました。しかしITを活用することで可能性が広がるのは歴史学も同じです。私は数万人分の移動に関するデータを、“GIS(地理情報システム)”を用いて処理することで、時代ごとに変化する労働移動のパターンを、地図上で可視化する作業を試みています。

ゼミのイチオシ

 ご存知のように北九州は日本を代表する工業地帯としての古い歴史を持っています。この「地の利」をいかし、私のゼミでは市内の工場見学や古地図を手にしての街歩き、「産業遺産」を調査するグループワークなどを行っています。

先生のイチオシ

街にはいろんな場所に、その場所の歴史を解説する案内板があります。観光客向けだと、普段、意識せずに通り過ぎているかもしれませんが、一度、立ち止まって読んでみてください。そこには自分が暮らす街の「物語」が記されています。街にはそれぞれ、現在の風景が生まれることとなった「物語」があります。その「物語」を知れば、見慣れた風景もほんの少し違って見えてきますよ。

オフショット

今、わが家には、学生と同じかそれ以上に、外の世界に興味津々で、いろんなことを学び吸収している娘(1歳)がいるので、仕事のない日はいつも、彼女の初めての経験に付き合っています。

Profile

土井教授
プロフィール

私は、九州から遥か彼方にある、北関東の栃木県で生まれ育ちました。勉強の出来は「中の上」程度で、これといった特技もなく、大学には進学したいけど、その先、どんな道に進めばいいのか、まったく見通しのついていない、ごく「普通」の少年でした。
そんな私が「学者になりたい」という大それた夢を抱くようになったきっかけは、大学で学問の面白みを知ったことです。大学に進学したばかりの頃の私は、受験対策の知識はそれなりに持っているものの、身の回りの世界に関してまったくの「無知」でした。しかし、この「無知」が、その後の私の人生にとって幸いします。
「無知」であるということは、新たに知ることが出来る領域が広大に存在するということです。私はそのことを、本を一冊読むごとに実感しました。そして、ものを知る度に自分に見える世界が2倍、3倍と広がっていくことを、心底、面白いと感じました。
そして、「この面白みをもっと追求したい」、「この面白みを誰かに伝えたい」と思うようになった私にとって、進みたいと思える道はひとつでした。
この思いは今でもまったく変わっていません。私にとって一番わくわくする瞬間は、誰も知らなかった事実を明らかに出来た時ですし、この学問することの面白みを伝えることこそが、大学における教育の目的だと思っています。

土井教授イラスト

経済学部Faculty of
Economics and Business Administration

  • 経済学科 土井 徹平 准教授
  • 経済学科 唐 麗 准教授
  • 経済学科 齋藤 朗宏 准教授
  • 経営情報学科 村原 英樹 准教授
ページトップに戻る