戦略を分析し、理解し、デザインする

担当教員浦野 恭平 所属経営情報学科 専門分野経営戦略論

ゼミの内容

「経営戦略」の分析そしてデザイン

 「ゼミ」(seminarの略)とは、少数の学生が特定の指導教官の下で専門的なテーマを研究し、教員やゼミの仲間と相互に討議することを通じて学んでいく双方向型の学習方法を用いた授業、ないしそのクラスを意味します。本ゼミでは活動の目的を「社会で主体的に活躍できる人材」の育成として、学生さんと協力しながら次の2点に力を入れてゼミの運営をしています。

 1つは、企業や行政組織等で働く際に必要な「経営戦略」に関する専門的な知識を身に付けてもらうことです。

 「経営戦略」に関する知識は近年、ますます重要なものとなってきています。情報化やグローバル化によって社会構造が大きく変化していく中、企業はもとより行政機関や大学のような教育機関であれ、組織が成長していくためには社会の動きに目を凝らし、5年後10年後、「我々は何をしていくべきなのか?」といった組織の「経営戦略」に関する問いに答えを出していく必要があります。そして、きちんとした理論的な裏付けにもとづいて「経営戦略」を策定・実行していくためには、「経営戦略」に関する専門知識が不可欠です。そして、組織の中で働く諸個人にも「経営戦略」の知識を身に付けて戦略策定に積極的に参画することが問われているのです。  2つ目は、専門知識をもちいて自らの考えをまとめ、それを他者に分かりやすく伝えるコミュニケーション能力を身に付けてもらうことです。

 どのような分野であろうと社会で「働く」ということは、専門的に考えると同時に、誰かを納得させることの連続です。具体的な場面を想像してみて下さい。例えば「どうやって取引先との契約を獲得するか?」、「自分の考えた企画案をどのように上司に通すか?」といったことです。専門知識を真に実のあるものにするためには他者とのコミュニケーションが不可欠です。本ゼミでは「経営戦略」の専門知識だけでなく、それを社会に役立てるためのコミュニケーション能力の涵養にも力を入れています。

 学生さんがこのゼミ活動に積極的に取り組んで1、2の力を身に付けることで「社会で主体的に活躍できる人材」になってもらいたいと考えています。

ゼミ生はこんなことができるようになる!

 企業や行政機関、教育機関などの経営戦略、組織、人材活用のあり方を、相互に関連付けて体系的に分析できるようになります。  さらには、分析結果を報告書やパワーポイントを用いて他者に伝えることが出来るようになります。

ゼミ生 (OG・OB) の内定先

 民間企業では自動車、住宅、医薬、産業用機器といった各種メーカー、銀行や保険などの金融機関、大手流通、情報関連など業種を問わず活躍しています。また、国土交通省、政令市市役所、国税専門官といった公務員で頑張っている人や大学院進学者もいます。

ゼミ生の声

 ゼミ活動を通して卒業後も繋がれる友人が出来て良かった、との声を多数もらっております。

このゼミを目指す人の推奨履修モデル

  • 1年次 経営学入門、企業論基礎、 マネジメント論基礎
  • 2年次 経営戦略論、経営組織論、マーケティング論Ⅰ・Ⅱ
  • 3年次 人的資源管理論、応用マネジメント論、国際経営論、中小企業論
  • 4年次 地域企業分析、事業計画論(3年次でも受講可)卒業論文 

ゼミの活動内容

 ゼミ活動の具体的内容は、経営戦略論の主要文献の「輪読」(学生さんで文献の各章の担当者を決めて内容を文章にまとめて、報告し、そして全員で討議する)をつうじて理論的知識の獲得を図るとともに、「ケーススタディ」(実際の企業や組織の成功や失敗事例の検討)を併用することで「理論と実践を統合」する力を身に付けられるように授業を構成しています。ケーススタディではトヨタやパナソニック、ファーストリテイリングなどを取り上げ、輪読で身に付けた理論を用いて各社の経営戦略や組織、さらには人材活用法について分析していきます。

 討議に際しては学生さんに司会進行役を勤めてもらいます。また、「グループワーク」(より少人数のグループごとの討議)を導入して発言機会を増やすことで学生さんのディスカッション能力を高めるようにしています。

 2年間のスケジュールは、1年目(3年生)は学期中には上記の輪読とケーススタディに勤しんでいますが、夏休みに学生さんのプランニングで「合宿」での勉強会や工場見学を実施しています。

 2年目(4年生)はそれぞれの学生さんが卒業論文のための個別研究に入りますが、スタートから完成まで、すなわち、「テーマの設定」―「全体構成の作成」―「参考文献収集・読み込み」―「報告書の作成・発表」―「最終的な文章化」といった一連の卒論作成プロセスごとに必要なアドバイを適宜しています。

 その他、学部で開催されている学生さんの「研究発表会」にも積極的に参加しています。

ゼミで使用している「テキスト」や「おススメ本(漫画も含む)」

教科書および主要参考文献

  • 伊丹敬之著『経営戦略路の論理(第4版)』日本経済新聞社、2012年。
  • 伊丹敬之・西野和美編著『ケースブック経営戦略の論理』日本経済新聞社、2012年。
  • 浅羽茂・牛島辰男著『経営戦略をつかむ』有斐閣、2010年。
  • 網倉久永・新宅純二郎著『経営戦略入門』日本経済新聞社、2011年。
  • 東北大学経営学グループ著『ケースに学ぶ経営学[新版]』有斐閣、2008年。

その他、経営組織論や人的資源管理論関連の文献ついても随時紹介しています。

おすすめ本

  • ウォルター・アイザックソン(井口耕二訳)『スティーブ・ジョブスⅠ・Ⅱ』講談社、2011年。

(企業家個人の人生から企業や業界を見た作品です。他にもこうしたタイプの文献は内外問わず出されていますので、手に取ってみて下さい。)

ゼミ指導教員の担当授業

  • 「マネジメント論基礎」(1年次配当)企業運営の基礎を学びます。
  • 「経営戦略論」(2年次配当)経営戦略策定や実行のための知識を学びます。
  • 「地域企業分析」(3年次配当)地元企業の経営者を招聘しての特別科目です。
◀ ゼミ一覧ページへ戻る