2025年12月17日(水)、北九大文化資源調査隊主催による2025年度の文化振興イベントとして、「殿さまの本を探して~文化資源としての小笠原家蔵書~」を開催しました。現在の北九州市とその周辺には、小倉藩の歴史と文化の痕跡が今もそこかしこに残っていますが、その一例として、礼法で知られる藩主の小笠原家が所有していた蔵書を挙げることができます。本は単に中身を読むだけのものではなく、それ自体が一つのモノであり、地域の歴史と文化を知るためのヒントを与えてくれます。今回の講座は、小笠原家蔵書を手がかりに小倉藩の歴史と文化を読み解き、蔵書が持つ文化資源としての可能性を考えることを目指して企画されました。
今回の文化振興イベントでは、最初に日比野利信氏(北九州市立自然史・歴史博物館学芸員)によるミニ講座「小倉藩主小笠原家の歴史と史料」が行われました。北九州に住んでいてもなかなか知る機会がない小倉藩と小笠原家の歴史について大変明快に解説いただき、北九州市立自然史・歴史博物館が所蔵する小笠原家文書についてもご紹介いただきました。
続いて小笠原家文書について調査をしてきた渡瀬淳子氏(北九州市立大学文学部比較文化学科教授)により、「小倉藩主小笠原家の蔵書と文芸活動」と題した講演が行われました。小笠原家の旧蔵書とそこに残された書き入れや蔵書印を手がかりに、藩主の文芸活動や幕末維新期に小倉藩がたどった歴史が解き明かされ、最後に「小笠原家の書物が辿った歴史は、地域の歴史であり、日本史の一部でもある」と締めくくられました。その後、両講師がお互いにコメントし、フロアからの質問にも応えて活発に議論が交わされました。
当日の来場者数は166名で(昨年度は160名)、一般市民の方々も12名参加いただきました。出席した学生や市民の方々からは「ものの歴史から見る地域の歴史という視点で、もっとこの町に愛着が持てるような気がしました」といったコメントがあり、北九州の歴史と文化に関心を持つきっかけとなったことがうかがえました。










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