株式会社博多座 勤務
比較文化学科
【2016年3月卒業】
佐野 琢馬さん
【福岡県立筑紫高等学校出身】
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現在の職業についての内容や
やりがいを感じるところは? - 福岡市が設置する演劇専用劇場「博多座」を運営する株式会社博多座で、団体営業を担当しています。私の所属する部署では、10名程度のお友達や地域のグループや数百名規模の学校の芸術鑑賞、さらには貸切公演まで、さまざまな団体のお客様のご予約を承っています。
大人数の団体様のお席をまとめて確保するためには、一般発売よりも前に準備を進める必要があります。そのため、団体予約は半年から1年ほど前から受付を始め、まとまった席を押さえていきます。その他にも、旅行会社への営業、団体様のお弁当やお食事、お土産の手配、稀に依頼を受けて演劇講座を実施するなど、チケット販売全般に関わる役割を担っています。
演劇興行は華やかな世界に見られがちですが、実際には作品の人気や世間の情勢によって売れ行きが大きく左右される世界です。そんな中で、自分がおすすめした公演を観たお客様から「楽しかった!」「観に来てよかった!」と言っていただけると大変嬉しく感じます。 -
現在のお仕事を選択されたきっかけは? - もともと博物館や文化施設が好きで、社会教育や文化振興に関わる仕事に就きたいと考えていました。
在学中は特に「お芝居が好き!」という訳ではなかったのですが、年に一度程度なんとなく観に行っていた博多座が“歌舞伎や大規模ミュージカルなどをフルスペックで上演できる国内でも有数の演劇専用劇場である”ということや、“演劇文化の振興を図り、地域文化の発展に寄与する”ために設立されたという経緯を知り、「こんなにすごいスペックの劇場が近所にあるのにまだまだ知られていないのは勿体ない」「お芝居の魅力を広めるのも社会教育の一つだ」と感じこの仕事を選びました。 -
学生時代に学んだことや
現在のお仕事で役に立っていることは? - 比較文化学科は、人が創ってきた文化や物を通じて「人間って何だろう?」と考えるところです。文学や社会学、美術、宗教学、哲学、民俗学など様々な考え方を学び、それらを武器に「豊かさとは何か」「この価値観はどのような理論のもと形成されているのか」「この文化の成立にはどのような背景があるのか」などといった問いを多角的に考える経験をしました。卒業論文の研究では、いわゆる「ゆるキャラ」がどのように発生し、行政の広告に入り込んできたのかを明らかにするために文献調査やアンケート調査を行い、大阪へ上って追加の現地調査も実施しました。大学で学んだ知識をそのまま仕事に使うというよりも、情報の調べ方や調査を実施するまでのプロセスといった経験が身についたことが、普段の業務に活きていると思います。
また私の場合、授業で様々な視点・考え方を学ぶ中で「自分にとって一番大事な価値の基準は何なのか」を明確にできたと感じています。受験生の皆さんも比較文化学科での学びの中で人生のヒントや、意外なスキルを得られるかもしれません。
ちなみに私は授業とは全く関係なく崩し字の読解を教えていただいていたのですが、この時の知識が演劇講座のために歌舞伎の古い資料を調べる時に活きています。「何が役に立つのか」は後になってわかるものですから、皆さんもこの学科で手広く学んで、ご自身の可能性を広げていただきたいなと思っています。 -
これからの将来について
目標や目指していることは? - 博多座の設置目的である「演劇文化の振興」に、より一層貢献していきたいと考えています。特に「初めての観劇」に対するハードルを下げ、1人でも多くの方にお芝居をお届けすることが目標です。
近年では話題作が即日完売する一方、「一度は観てみたいけれど人気すぎて買えない」という方も増えている気がします。また博多座は全国の演劇ファンの方からの人気がある一方で、まだまだ地元では「チケットの取り方がわからない」「いま何をやっているのか知らない」という方も多い現状です。
そうした方々に観劇への入口を広げていくことが、福岡に演劇文化を根付かせることにつながると考えています。地域に根ざした劇場としてまちの皆様に長く愛されるよう、今後も自分にできる形で取り組んでいきたいです。
