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受験生のみなさんへ北九州市立大学法学部へようこそ

北九大法学部の特色

特色1
「少人数」教育

教員との距離が近い「少人数」教育で、レベルの高い学びを可能にします。

入試案内

 北九州市立大学法学部は、公立大学に設置された法学部(法学部を設置している公立大学は、本学のほかには、大阪市立大学と東京都立大学しかありません)として、教員と学生が間近に接する「少人数」教育を実践しています。

 講義でもゼミでも、学生が教員に疑問や意見をぶつけ、教員もそれに対して誠実に対応する関係は変わりません。「少人数」教育を通じて、大規模大学では見ることのできない、面倒見がよくレベルの高い学びを実現しています。

特色2
法律学科・政策科学科の併設

法律学と政策科学を一緒に学ぶことで、多角的に社会を理解する力が身につきます。

入試案内

 法律学と政策科学は、切っても切れない関係にあります。政治の現場で議論された政策が、やがて法律となり、行政や裁判で活かされていきます。そのフィードバックを基に、さらに新しい政策が議論され、法律が生まれます。法律と政策は、政治、行政、裁判など国家の重要な機能の中でお互いに関連しながら、作られ、活用されるのです。

 北九州市立大学法学部では、法律学と政策科学の重要な専門科目を、どちらの所属学生であっても受講することができます。法律の目と政策の目、2つの視点で多角的に社会を理解する力が身につきます。

特色3
伝統的基礎能力の重視

時代を超えて社会人に必要な、伝統的基礎能力を確実に身に付けます。

入試案内

 北九州市立大学法学部では、①法律や政治・政策の理論をきちんと理解し、論理的に思考した上で、読むに値する文章を書き、聞くに値する話をする力と、②知らないことを自ら積極的に調べ、勉強していく力を育む教育を重視しています。

 これは一見古臭く伝統的なやり方ですが、学生がどのような進路に進むにせよ、最も重要な基礎能力がなくてはならないのです。一時の流行や見せかけの新しさに流されず、時代を超えて学ぶべきものを学ぶ―これが「法学部」の魅力です。

特色4
学生サポートの充実

学生の多様なニーズに応えるため、常にサポートの充実を図っています。

 北九州市立大学法学部では、学生の学習意欲や希望進路に応じて、さまざまな課外講座を用意しています。法曹や公務員などを目指す学生が、教員の指導のもと、自己研鑚に励んでいます。

現代法曹論0

 法学部独自のキャリア科目である「現代法曹論0」は、裁判所や行政機関、弁護士などの法律専門職や法科大学院などと連携して行う講義です。
 現場の第一線で働く実務家や法科大学院教員をお招きして話を聞くことで、法学部での学習が卒業後の進路選択や現実社会とどのように結びつくのか、その具体的イメージを持つことができます。
 法学部入学後すぐにこの講義を受けることで、「なりたい自分」のモデルを見つけ、進路を意識しながら法学を学ぶモチベーションを高めることができます。

講師陣:裁判所職員、弁護士、行政書士、国家公務員(税務署職員など)、地方公務員(県庁職員・市役所職員など)、警察官、法科大学院教員など

特色5
多彩な進路

公務員や企業をはじめ、多彩な進路があなたを待っています。

 1973年の設置以来、北九州市立大学法学部は、多様な人材を社会に輩出しています。法曹(裁判官・検察官・弁護士)や国会・地方議員、国家・地方公務員として、また世界・全国規模の大手企業や地域経済に貢献する中小企業で、先輩たちが活躍しています。

 具体的な就職先については、両学科の特設ページをご覧ください。

法律学科はこんなところです

政策科学科はこんなところです

受験生の疑問に答えます!

特別インタビュー
~北九大法学部の、アカデミックな雰囲気を知ろう~

法学部・政策科学科の中井遼先生が書かれた、『欧州の排外主義とナショナリズム:調査から見る世論の本質』(新泉社、2021年)が、サントリー学芸賞に選ばれました。サントリー学芸賞は、学術の各分野で、日本を代表する研究者が受けてきた栄誉ある賞として知られています

本書で、中井先生は、ヨーロッパ諸国の政治の実証研究から、移民排斥の政治運動の原因が、通常考えられている経済的格差にあるのではなく、文化的要因にあることを論じ、また今後の日本における外国人政策への提言をされ、大きな注目を集めています。

北九大・法学部のアカデミックな雰囲気を知ってもらうため、中井先生にインタビューを行いました。

高校生に読み取ってほしいことは何ですか?

 社会が実際にどうなっているのか、どう動いているのかを知ることの、難しさや、楽しさです。

 メディアでは、社会のさまざまな現象がニュースとして報道され、その背後にある社会的な出来事が「事実」として解説されています。さらに、SNSなどでは、人々が、自らの信じる「事実」をつぎつぎに発信しています。しかしそこで「事実」とされていることは、データや統計によって、科学的に検証されているでしょうか

 例えば、「移民が嫌われるのは、貧しい人が『移民に仕事が奪われる』と思うからだ」という考えは、多くの人が「事実」だと考えがちです。ですが、データや統計をきちんと使って科学的な検証を行うと、「事実」とは断言できない、ということがわかるかもしれません。

 本書で明らかにしたように、ヨーロッパの移民排斥の感情は、経済的要因よりも文化的要因からきているようです。ですから、少なくともヨーロッパに限れば、「貧乏だから、移民を嫌う」というのはもしかすると思い込みにすぎないかもしれません。

 客観的に断定可能な「事実」というものはおそらく存在しません。しかし、科学的なものの見方を行うことで、社会に起きている出来事について、より妥当な証拠に近づくことができます

 そういった証拠の検討に基づかない社会運営は、残念な結果をもたらすかもしれません。よかれとおもってやったことが、悪い結果をもたらすことはよくあることです。その意味でも、未来を担う高校生の方に、「事実」といわれているものをきちんと検証する態度を通じ、メディアやSNSで言われていることとは違う社会のあり方が見えてくる、という体験をしていただきたいです。また、その検証のプロセスの楽しさも、本書を通じて味わえると思います。

本書の執筆の背景に、北九大・法学部があるそうですが?

 本書が生まれたひとつの背景に、北九大の法学部の雰囲気の良さや活気があります。

 まずは、学科の違いを越えて、教員のコミュニケーションが多いことです。職場は風通しがよく、まじめなことや、相談、そして冗談まで、いろいろな話をよくしています。

 その中で、学問の分野を越えて交流が生まれ、互いの研究に意見を出し合うことになるのですが、これが自身の研究のレベルを上げる、大きな手助けになってきました。本書を書いている時もよく同僚の顔を思い出して、彼/女らにも伝わるようにいろいろと工夫しました。そのように具体的な読者を想定しながら書くことができるのは幸せな環境であるといえます。

 また、北九大・法学部には、「科学的な政治学」の強い伝統がある点も、本書の執筆に役だちました。そもそも、九州に縁のなかった私が本学で働き始めた理由の一つは、そういった評判が(少なくとも政治学者の世界では)確立されていたことにあります。そういった学問の充実度は、高校生の皆さんがみているような偏差値での序列とはほとんど関係ないんですね。

 同僚の活躍に刺激を受けることも多いです。法律学科でも政策科学科でも、各自の分野できちんと研究を重ね、学会などに貢献している人も多いので、その姿からも励まされます。

 さらに、わたしの研究には出張や世論調査なども必要で、それなりにお金もかかります。この点で、法学部や大学の理解とサポートがあったことも、大きかったです。

 大学、学部の使命として、きちんと研究を進めていく。北九大のアカデミックな「活気」が、背中を押していてくれたと思います。

学生たちからの影響もありましたか?

 そもそも、執筆のひとつのきっかけになったのが、「自分のゼミの学生たちが、あるいは自分の講義を履修する学生たちが、読んで理解でき、視野が広がる本」を書きたい、という考えでした。本書の内容のようなものは、専門家向けには充実しているのですが、そもそも統計知識を持っていることが前提だったり、あるいは英語であったりします。私たち学者はそれで構いませんが、多くの学生には少々ハードルが高いでしょう。今いる、そして将来も生まれてくる学生が、気軽にアクセスできる情報源があるべきだ、という想いは、つらい執筆を支える大きな原動力でした。余談ですが、本書の表紙デザインは、出版社から出てきたいくつかの案の中から、ゼミ生の意見をきいて決めました

 北九大の法学部、特に政策科学科は規模が小さく、学生とのやり取りもおのずと多くなります。これまでいくつかの大学で教えてきましたが、学風としてまじめな学生が多く、学力もあるという印象をもっています。学生たちと話していると、旺盛な知識欲と社会への問題意識を感じます。多様性もありますね。そこから、私自身が学ぶことも多いです。

 せっかく北九大に来てくれたのですから、きちんとした知識や物の見方を身につけさせ、視野を広げてあげたいですよね。研究と教育は、どちらが欠けても困る、お互いがお互いを補う「車の両輪」です。研究をしっかりやることで教育にも反映できますし、教育の中で研究へのフィードバックも入ってきます。これからも、堅実に研究を積み上げ、その成果を学生たちに還元していきたいと思っています。