学部学科・大学院

論文要旨

法学研究科の学位請求論文(修士課程)要旨を公表します。

平成28年度 平成27年度 平成26年度 平成25年度 平成24年度 平成23年度 

 

平成28年度


氏 名濵口 一雄
論 文

海洋法における船舶の地位 

 ―非自航作業船の問題を中心に―
要 旨

本稿は,海洋法における船舶とは何か,また船舶にはどのような地位が与えられているかを明らかにしたうえで,一般に非自航作業船に対し船舶としての地位が認められていない現状から,国際法上,また国内法上,現実にどのような問題が生じつつあるかについて論じている。国際海洋法の現状や,日本の船舶法制定からの沿革を踏まえた船舶の定義についての考察,非自航作業船を規制の対象とする国際条約等についての分析,非自航作業船の各国国内法における管轄権行使に係わる実定法に関する現状も交えての比較分析等を通じ,問題点を整理したうえで,最終的に非自航作業船を今後の海洋法秩序の中にどのように位置づけて行くべきかについて考察する。


氏 名久井田 楓
論 文

高齢者の見守りの現状と課題

〜北九州市の事例を中心として〜

要 旨

今まで高齢者を見守ってきた担い手のそれぞれで見守りを続けていく上での問題が生じている。そこで、政令指定都市で最も高齢化が進む北九州市ではどのような見守り活動が行われているのか研究した。北九州市独自の取組み「いのちをつなぐネットワーク」について取り上げ、更に北九州市の3つのコミュニティに着目し、住民レベルでの見守り活動について聞き取り調査を行った。調査の結果から、ICTの活用と民間企業の参入、行政の踏み込んだ対応、地域でソーシャル・キャピタルを高めていくこと、以上の3つを今後の課題として導き出した。

平成27年度

氏 名 橋山 和矢
論文題目

丸山眞男の「共同体的功利主義」概念について

〜戦時期日本の政治文化を読み解く〜

要 旨本論文は、先行研究ではほとんど触れられてこなかった、1960年代から1970年代にかけて丸山眞男自身の思想史研究のなかで論じられていた「共同体的功利主義」という言葉を通して、1930年代から40年代にかけて現れた戦時期日本の政治文化を読み解き、いままでの政治文化とは異なる見方を目指すものである。具体的には、いままで唱えられていた戦時期日本の強力な国家指導体制であったという考えとは異なる見方を示すものである。

氏 名石橋 正光
論文題目

選挙ポスターの実証的研究

―送信側と受信側、双方からの分析

要 旨選挙における候補者は選挙ポスターをどのように作製し、市民はそれをどのように認識、評価しているのか。本稿は選挙ポスターの役割を、発信者側の候補者と受け手側の市民の両方から実証的に分析したものである。データは、福岡県議会議員選挙で実際に使用された全131枚の選挙ポスターを実測したものと、被験者を使っての実験・調査の結果から成る。データ分析から得られる結果は次の通りである。(1)候補者は当該選挙区の制度、環境、候補者個人の属性によって、記載情報を決めている。(2)受信者である市民の認識、評価については、作製側の候補者が強調する情報と、市民が見たいポスターの内容との間にギャップがあること、(3)選挙ポスターには、市民が候補者に対して持つイメージを変化させる改変効果があり得る。

氏 名井上 幹
論文題目

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の限界

―特別養護老人ホームの増進に向けて―

要 旨

日本の社会において昨今の出生率の低下や長寿化の進展により人口の高齢化が急速に進んでいる。

国家の基幹事業として登場した定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24時間対応の訪問介護と訪問看護の介護サービスを組み合わせた仕組みを広く普及させることで、中重度の要介護者であっても特別養護老人ホームなどの施設への入所ではなく、住み慣れた地域で安心して暮らすことを可能とし、居宅介護の原点を高めていくことを追求したが、実際には特別養護老人ホームの待機者問題、老々介護問題、高齢者の孤独死、介護離職問題、介護の貧困ビジネス等の様々な問題が社会問題として、山積みとなっているのである。特別養護老人ホームの待機者に対して定期巡回・随時対応型訪問介護看護が成り立ってない為、介護離職者を生み、介護者として離職できない家庭は、老々介護、高齢者の孤独死、貧困ビジネスへの依存とリンクしていくのである。介護保険制度の理念である「介護問題について社会全体で支える仕組みをつくることにより介護不安を解消して安心して生活できる社会をつくるとともに家族等の介護者の負担軽減を図る」ことが実現されていないのである。

この現状を打破する為にも、特別養護老人ホームを増設しなければいけない。そして特別養護老人ホームは社会福祉法人だけでなく、民間企業参入も考慮すべきである。介護保険制度創設前後から介護事業所に参入している民間企業などの実績のある業者に特別養護老人ホームの参入を促してみてはどうか。

氏 名 周 連欣
論文題目

中国のエネルギー政策過程に関する研究  

      ―アクターの構造とその利害関係を中心として―

要 旨

本研究では、政策ネットワーク(Policy Network)モデルを分析枠組みとし、中国のエネルギー政策における「政策アクターPolicy Actors」、「アクター間の相互作用(Interaction)」と「そのメカニズム」について分析することを目的とした。具体的には、「中国の経済発展に伴う政治構造の変化」、「政策参加者のネットワークとその相互作用」に着目し、参加者の用いる政策目標(Policy Mission)、政策資源(Policy  Resource)、政策戦略(Policy Strategies)からその相互作用を分析した。

 本研究の結果、中国では、政策目標や利害の調整において、「党組織との関係 (关系guanxi) 」が政策資源であると同時に、政策戦略であり、それが政策ネットワークで「実質的な影響力」であることが検証された。

氏 名 徐 磊
論文題目

中国の小学校課程の環境教育の現状と課題

          ―廃棄物問題(ゴミ問題)を中心として

要 旨

中国経済の急速な発展と伴に環境破壊や廃棄物処理問題は今後大きな問題になってくると予想される。これらの問題に対応するためには、国民の環境意識を高揚させなくてはならない。特に、早急に小学校教育に環境教育が位置付けられる必要性がある。本稿は現在中国の小学校で行われる環境教育の事態を紹介したい。また、筆者は独自考案の環境教育の授業を実際に中国の小学校で実施し、今後中国で行われる環境教育の展開について考えてみた。


氏 名馬 起
論文題目

中国における≪環境保護法≫改正とその影響

 ―2015年法改正を中心として―

要 旨

本論では、2015年に中国≪環境保護法≫改正を中心に、その背景と影響を論じた。1989年に≪環境保護法≫が制定されたが、2015年には大きな改正を見た。なぜ今改正されたのか、その理由を内的要因と外的要因を分けて説明した。≪環境保護法≫第58条は環境公益訴訟の主体を社会組織と規定しており、その理由に言及するとともに、実際の環境公益訴訟の事案を紹介し、環境NGOの活躍領域を分析、今後の環境公益訴訟の発展の見通しを論じた。


氏 名堀川 直路
論文題目

生存権と生活保護法における稼働能力活用要件

要 旨

本稿では、日本国憲法25条は「保護を受けながらでも自己決定をする権利」を保障しているという立場から、生活保護法4条1項における能力活用要件の合憲性を検討し、同条項が合憲的に運用されるための条件を考察した。その上で、同条項に関する判例及び学説を検討して、能力活用要件の憲法適合的解釈として、就労拒否者に対しても保護を実施した上で就労支援を行うべきことを論じるとともに、就労支援の必要性を論じた。


平成26年度



氏 名松村 英生
論文題目

旅行業法の変遷とその社会的背景の研究

要 旨旅行業法は、数回の大改正を経て今日に至っている。本稿は、過去の改正は、旅行者と旅行業者間の損害賠償請求を内容とする裁判例、国会議員の発言、旅行業協会に寄せられた苦情やその他の法律に起因していたことを明らかにした。更に今後、旅行業法が改正されると仮定した場合、近年の裁判例等の影響に加えて、観光立国推進基本法から影響を受けて改正されるという改正過程もあり得るということを主張した。そして、旅行業者も観光庁の重要政策である「観光立国」の担い手となる新しい道筋を明らかにした。

氏 名井上 雅俊
論文題目日本の再生可能エネルギー政策に関する研究
―「政策パッケージ」を用いて―
要 旨福島原子力発電所の事故以降、再生可能エネルギー政策の議論が高まり、2012年より支援政策として固定価格買取制度が施行されている。しかし、設備導入が太陽光発電に集中しており、電力会社による電力の買い取りが保留されるなど問題が発生している。本論文は欧州の政策事例から、日本の固定価格買取制度の実効性について、法規制、経済的インセンティブ、政策基盤手段などの政策パッケージの視点から分析する。そして、日本の再生可能エネルギー政策には、どのような問題点があるかを明らかにする。

氏 名藏園 徹
論文題目

詐欺罪における損害概念の研究

要 旨本稿は、詐欺罪について、平成12年3月27日最高裁判決で詐欺罪が成立するとした理由を検討することを端緒として、簡易生命保険証書の財物的価値の特性を確認しつつ、財産罪である詐欺罪が保護をしている客体は、財物なのか、利益なのか、経済取引の目的なのかを考察する。そこには、ドイツ刑法との損害概念の違いがあり、判例および学説において多岐にわたる議論があり、日本の刑法での「損害概念」に関する議論に影響を与えること大であった。単なる財物や利益の交付によることで直ちに詐欺罪の成立を肯定するのではなく、財産罪の特徴は、経済取引の中で発生するところに注目し、損害の中身を経済取引という観点のもとで細分化する必要がある。本稿は、研究対象である保険契約における保険証書を経済的取引の観点から考察し、詐欺罪が成立しないことを主張するものである。

平成25年度


氏 名高橋 美幸
論文題目電子情報の不正取得に対する刑法上の保護について
要 旨本稿は、電子情報の不正取得行為に対する窃盗罪の可罰性を考察する研究である。物概念の歴史的考察、またドイツ刑法との比較法的な考察に基づき、単なる物の存在ではなく、所有者、占有者との関係性のなかで目的物の法的保護を認めるべきことから物理的管理可能性説を支持する。そして、電子的手段により作成・変更・保存・消去できることを根拠に電子情報の管理可能性(=財物性)を認める。そのうえで、独占的利用価値の減少に基づく法的移転性を電子情報に認めて、その不正取得に対する窃盗罪の可罰性を主張するものである。

氏 名古谷俊雄
論文題目児童養護施設の養育に関する憲法学的考察子どもの人権と養護
要 旨本論文は、児童養護施設の養育に関して入所児童の人権を考察したものである。従来、子どもの人権については、保護か自律か、もしくは両者を統合的に把握する形での議論が中心であったが、ここでは、人と人との関係性の意義を踏まえた「豊かな関係」を保障するべきとする新しい人権論を展開した上で、子どもの成長・発達には、身近な大人を始めとした多くの人との信頼・応答的関係が重要であることを論じる。

氏 名内田充範
論文題目生活保護行政における自立支援プログラムの現状と課題に関する研究
要 旨生活保護自立支援プログラムの現状と課題を分析するために、組織としての福祉事務所、実践者としての生活保護ケースワーカー、査察指導員、就労支援員、利用者としての被保護者を対象とするアンケート調査と聞き取りを行った。その結果から、自立支援プログラムの実施が生活保護行政の効率性、生活保護ケースワーカーのソーシャルワーク機能、被保護者の意欲を向上させることを明らかにするとともに、ソーシャルワーク理論に基づいた支援、ボトムアップ的組織体制の構築、チームアプローチによる重層的支援の必要性を提示した。

氏 名大原 健聖
論文題目現代政治におけるリーダーシップの発揮の要件とは何か。
要 旨

現在の日本政治は政治不信を招いていると言われる。そうした中で首相のリーダーシップがこれまで以上に期待されるようになってきた。

 本稿ではリーダーシップの要件として①制度(規則的制度、手段的制度)、②資質、③環境を挙げる。首相はまず、自らに権限を集中させる制度が求められる。その上で自らの置かれた環境に対して、個人の資質に基づいて適切に政治資源を投入し、手段的制度としてアウトプットする。このようにしてリーダーシップを発揮するのである。

氏 名權 大赫
論文題目

再生可能エネルギー普及政策に関する比較研究

-日韓の供給義務割当制度(RPS)を中心として-

要 旨

球温暖化による環境問題や自然災害等が増加しているなか、2011年起きた福島事故は世界各国の再生可能エネルギー(以下RE)政策を促進する起爆剤になっている。多くの国では、RE普及政策として供給義務割当制度(RPS: Renewable Portfolio Standard)、固定価格買取制度(FIT: Feed-In Tariff)などが施行されている。

しかし、この二つの制度の実効性については国ごとに相違がみられ、一様ではない。この相違は政策設計の何から生み出されるのかといったリサーチ・クエスチョンに基づき、本稿では日韓のRPS制度を事例とし、RE普及は、RPSFIT制度を施行する際のエネルギーの市場の状況、電力システムの構造、普及目標によって異なる」という仮説を検証した。また、この検証結果を踏まえ、最終的に持続的にRE普及が可能な制度の枠組みを提言した。

平成24年度

氏 名 上田 春香
論文題目 日本における児童虐待の現状、原因、およびその対策
要 旨 本論文では、わが国における児童虐待に関する公式統計を利用して現状を分析し、理論的にはアメリカの先行研究を包括的に検討した上で、児童虐待防止法を中心とする法的対応策の特徴や問題点を検討した。結論として、児童虐待は多元的要因により発生しており、虐待を説明する理論としては「社会的学習理論」が最も有力な理論的視座であることを見出した。児童虐待防止法については問題点も多く、特に初期介入に関してさらなる改正が必要であるように思える。
氏 名 仰 木  公 一
論文題目 デンマーク・コペンハーゲンにおける環境・エネルギー政策の研究
―原発拒否運動・風力発電・人々から、日本が学ぶべきこと―
要 旨 本論文は、第1章デンマークの原発拒否運動、第2章風力発電、第3章デンマークの人々、第4章日本が学ぶべきこと、の四つの章で構成される。第4章では、デンマークから学び、脱原発国家実現の国家方針の宣言、洋上風力発電ファームの検討、スーパーグリッド敷設実現、再生可能エネルギー発電技術のトップ水準化と技術移転やODA支援、「共生の精神」を活かす教育の在り様の検討と、五つの政策提言を行うものである。 
氏 名 河島 健
論文題目 直方市水害頻発地区における地域コミュニティの状態と災害時の人的被害のリスクの関係
要 旨 ハード的防災に限界が見えた今、災害から身を守るには避難をする必要がある。本論文では平成24年7月に直方市で発生した水害を事例として、自治区会長へのインタビューをもとに地域コミュニティにおける人のつながりの強さと、災害時の避難の仕方にどのような関係があるか明らかにする。直方市では上境、下境一区、感田二区でどれも床上浸水がありながら救助された人の数に大きな差が出たため、この三地区を比較する中での証明を試みる。
氏 名 勘木 康子
論文題目 憲法24条の再検討
要 旨 本稿は、従来「役割を終えた」と評価されている、憲法24条の価値を問いなおす研究である。本条は憲法14条の他に、唯一「平等」の文言を持つ条文である。このような本条の価値を再度見直すべく、本条の制定過程を概観し、本条に関する学説を整理したうえで、本条の法的性格、及び憲法適合的な「家族」観について考察し、実定法(特に民法・社会保障法)上の諸規定がこのような憲法上の要請を満たしているのかについて検証した。
氏 名 永野 理絵
論文題目 教員免許更新制の政策過程分析
要 旨 教員免許更新制に関する研究の多くは制度評価や制度の提言に焦点を当てたもので、政策過程に注目した研究は僅少である。また、分析の視座となる理論が示されていないなど、研究の科学性の面において克服すべき課題が残っている。本稿は、2000年から2007年にかけて行われた教員免許更新制導入の政策過程を、政策過程論の分析モデルである「政策の窓」モデルを適用して分析し、教員免許更新制がどのように形成され決定に至ったのかという政策形成過程を明らかにした。
氏 名 山本 誠己
論文題目 ライフコース犯罪学におけるデシスタンス研究の意義と課題
要 旨 本稿では、ライフコース犯罪学におけるデジスタンス研究の意義と課題を、国内外の文献に基づき分析・検討した。本研究の出発点として、まずは、学説史に基づき、既存理論の統合、個人の犯罪行動の収束局面への注目、政策や実践における応用可能性というデジスタンス研究の意義を指摘した。さらに、ラウブとサンプソン、マルーナ、ジョルダーノらの主要研究を、社会構造的要因と主体的行為能力の二つの軸から分析し、その双方に対応した政策の重要性を指摘した。最後に、再犯率の上昇という近年の犯罪情勢に鑑み、日本においても、時代背景や文化的側面を踏まえ、研究デザインを洗練させた自前の研究が必要と提言した。

平成23年度

氏 名 安藤 永也
論文題目 祭りが中心市街地活性化に与えた影響
―大分県臼杵市の「うすき竹宵」の事例から―
要 旨 本論文では、大分県臼杵市の「うすき竹宵(たけよひ)」という近年始められた祭りが、中心市街地活性化にどのような影響を及ぼしたのかについて論じた。臼杵市では、うすき竹宵という祭りをきっかけにして、町並みや歴史的資源への関心が高まるとともに、従来とは異なる新たな人間関係が形成された。それによって、中心市街地活性化事業が円滑に進むことになった。その結果、中心商店街の空き店舗率が改善するなど中心市街地活性化につながった。
氏 名 井上 秀雄
論文題目 日本国憲法第10条と日本国民の形成
要 旨 日本国民の形成に関して、近世からサンフランシスコ講和条約までの国籍法制・戸籍法制の沿革を辿るとともに、植民地統治下にあった植民地出身者の日本国民(臣民)への包摂の過程と、戦後の日本国民からの排除の過程を検証した。そして、日本国憲法10条を中心とする憲法・国際法的規律を踏まえて、サンフランシスコ講和条約後の日本政府による旧植民地出身者の日本国籍喪失措置に関して検討した。
氏 名 本田 博之
論文題目 現代の所有概念理解の為の予備的考察
―末川博博士の見解を素材として―
要 旨 所有とは何かと問われたとき、その典型的な答えは、所有者が所有権を以て物を自由に使用収益処分することであると言える。しかし、質権にも見られるように、所有者が居ながらも物を自由に利用出来ない場合があり、典型的な説明では所有を語りきれない。そこで本稿は、末川博士の見解を素材に、権利主体・客体及び権利そのものから所有概念を探究した。そしてこの方法論を以て、所有問題解決の為の糸口を呈示することを目指した。
氏 名 西  重機
論文題目 捜査現場から見た暴力団対策と今後の課題
要 旨 本研究は、第二次大戦後から現在も続く暴力団対策について、その経過と現状を検証し、加えて筆者の現場経験を踏まえて、より効果的施策について提唱することを目的とした。このために、警察白書等の法執行機関の文献資料はもとより、暴力団・ヤクザ研究に携わった諸外国の学者・ジャーナリスト等の先行研究を主として分析・検討した。その結果、筆者は 法整備上の課題、捜査体制の整備、捜査員の育成問題の三点について提唱するに至った。