北九州市立大学図書館

教員推薦図書

囚人のジレンマ

推薦者名
田中淳平
著者・編者名
ウィリアム・パウンドストーン
所属(学部)
経済学部経済学科
発行年月
出版社名
青土社
内容
タイトルの「囚人のジレンマ」とは、社会を構成する各人が利己的に行動することで、もし各人が協調していれば全員の利得が上がったにもかかわらず、結局それを実現できずに全員が低い利得に甘んじなければならない状況を描いた「ゲーム理論」の代表的寓話です。現在では、様々な社会現象を個々人のインセンティブ(=損得の誘因)にさかのぼって説明する一般理論として、ゲーム理論は社会科学(特に経済学)になくてはならない存在になっています。
 本書は、そのゲーム理論の「思考の型」を様々な具体例を用いて紹介した入門的解説書ですが、並行してこの理論の生みの親である天才数学者フォン・ノイマンの生涯やゲーム理論研究の草創期の様子などについても詳しく描かれており、理論が誕生した個人的・社会的背景についても知ることができるようになっています。理論自体の解説はやや古くて冗長な面があるように感じますが、理論が誕生して発展していく様子を当時の社会状況と絡めながら生き生きと描いた本は他には見当たらず、そうした側面にも興味のある人にとっては魅力的な一冊だと思います。

※図書の画像は出版社から許可をいただいて掲載しています。

登録日:2014年03月26日