柏木 哲也/カシワギ テツヤ/Tetsuya Kashiwagi
所属 | 基盤教育センター(ひびきの分室) | |
役職/職名 | 教授 | |
学位(授与機関) | 教育学修士(福岡教育大学) 博士(応用言語学) |
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担当科目 | 英語V, 英語VII, 実践英語 Academic Presentation I, II (大学院) |
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略歴 | 2003 国立鶴岡工業高等専門学校 2005 北九州市立大学国際環境工学部情報メディア学科 2008 北九州市立大学基盤教育センター(ひびきの分室) |
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専門分野 | 英語科教育法(ライティング、リーディング) 言語政策(入試問題分析) コーパス言語学(学習者コーパス構築・分析) 心理言語学 第2言語習得(SLA) |
業績紹介
[著書]
・『21世紀の英語科教育』(樋口晶彦、島谷浩編)第9章書くことの指導 (2007) 開隆堂 ・Corpus-Based Elicitation of L2 Proficiency: Topic Type Prompts, L1 Rhetorical Interference, and Pedagogical Implications for L2 Writing (2009) 雄松堂出版
・日本人のための英語ライティング講座―日本語発想の転換から英語の書き方をやさしく学ぶ― (2018) 南雲堂 ・『第一特集 知識から活用へ―変わりゆく文法指導を考える ライティング指導で文法への気づきを促す』 (2018) 英語教育 67/9 (11月号), 18-19, 東京:大修館書店.
[学術論文] ・The Relationship between L2 Proficiency and Lexical and Grammatical Features in Japanese EFL Writing. (2014).Annual Review of English Learning and Teaching, 18, 43-60. ・Effects of Fictional Writing on L2 Learners. (2015). KESELE, 42, 79-88. ・TOEFL、センター試験、大学入試英語長文問題の文法・語彙比較研究. (2016). Studies in English Teaching and Learning in East Asia, No. 5, pp. 39-48. ・「日本人英語」考察―その特徴と問題点. (2017). 『北九州市立大学基盤教育センター紀要』,第25号水本光美教授退職記念号, 69-85頁. ・ライティング指導の方法と評価. (2017). 『北九州市立大学基盤教育センター紀要』,第27号,19-34. ・日本の入試英語はどこへ向かうのか―台湾の大学入試英語問題との比較分析から見えるもの―. (2018). 九州英語教育学会『紀要』,第45号,101-110頁. ・4技能統合型英語教育:スピーキングとライティングに焦点をあてて(委嘱論文). (2018). Studies in English Teaching and Learning in East Asia, No. 6, 89-97. ・日本・韓国・台湾における大学入試英語長文問題の語彙・文法比較研究. (2019). Studies in English Teaching and Learning in East Asia, No. 7, pp. 91-108.
[ポスターセッション] ・「日本・台湾・韓国の大学入試英語長文分析―縦断的20年の変化及び横断的な差異を探る―」. (2019). 大学英語教育学会第58回愛知研究大会(ポスターセッション)(大学英語教育学会名誉会長賞受賞)
受験生向けメッセージ
日本語と英語の違いは、文字や発音、文法だけではない。気候、風土、文化、民族など実に多くの要因が絡み合って成り立っている。洋画のおもしろさは、心理的な駆け引き、原因と結果の明示、登場人物の対比(コントラスト)など邦画にはない「動き」があるからだ。最初の場面は最後の場面とリンクし無駄な場面はない。画面のひとつひとつが「意味」を持っている。そしてそれが有機的に結束性をもち直線的ロジックでつながっているからだ。近年教室で顕著に気付く点として日本語、英語共に文脈のある文(文章)の作れない若者が増えている。語彙の貧困さ、着想の硬直性、表現手法の単純さと幼稚さ、特に文脈展開における論理の欠如が甚だしく理由が全く理由になっていない文章が多々見られる。英語でのライティング教育においては、対照言語学的に日本語を軸として和文英訳を展開するのではなく、表記法、統語を含めた文構造やロジックなどの違いを理解させることである。英語の直線的なロジック、話し言葉と書き言葉の違い(formal or informal)、世界基準としての説得の技術を学ぶことによって真の国際人になれると考える。真の英語を学びたい学生よ、来たれ。
企業メッセージ
日本人英語学習者の書く英語の不自然さを追求しそれを改善する教授内容を実践し改善し成果を蓄積しています。自己の30年以上に渡る種々の英語教育環境と母語話者の携わった場合の問題点を日本人のための英語ライティング講座―日本語発想の転換から英語の書き方をやさしく学ぶ―(南雲堂)にまとめました。
研究内容・所属研究室紹介
スピーキング、ライティングにおけるジャンル、レジスタ、学習活動による誘出効果はどのような違いがあるのだろうか。学習者コーパスを分析した結果、物語文(fictional)、叙述文(narrative)、論説文(argumentative)にはL2学習者に対して独特の誘出効果があり、熟達度に応じて母語の干渉が出やすい項目と出にくい項目がある。仲間による推敲(peer review):コミュニカティブライティングを促す手段として作成プロセス(Peer Review, Peer Revision, Group Collaboration, ZPD)作成結果(reader- conscious)公表、評価(Presentation, Speech)などが実践されあらゆる熟達度の学習者にも有効に働く。学習者の熟達度(L2 Proficiency)と表出構造にはどのような関係があるのか。母語の干渉は文法、語彙使用にどのような影響を及ぼすのか。読むことと書くことはどのようなタスクによって効果的に教育できるのか。音読、黙読、フリーライティング、プレゼンテーション、条件作文、題材、補助環境によって学習者のperformanceはどのように変わるのか。