学部学科・大学院

環境化学プロセスコース 概要

 化学計測や分析などを利用した環境の化学的解析とその技術の開発、有用な物質の抽出や環境中の有害物質の分離技術の開発及び化学反応プロセスを利用した次世代型エネルギーの開発など物質の移動や反応に関する総合的な教育研究を行います。さらに、自然環境に調和した材料、新素材、機能性材料、環境低負荷型材料などの開発やリサイクル・再資源化処理法の実用化・普及を目的として、原子・分子レベルの極微小な構造から各種製品や社会インフラを支える構造物に至るまで様々なレベルでの材料開発、材料機能評価、材料資源循環などについて教育研究を行います。

  

教育・研究内容

 人類の文明と経済活動を化学プロセスの観点から見直し、地球環境に調和し、持続的発展を可能とする革新的技術の開発を目指します。
 環境に調和した産業の創出と国際的視野に立った新たな資源・エネルギーシステムの構築に寄与する教育・研究を行っています。

化学プロセス分野

●天然ガスからの超クリーン液体燃料の合成
●廃棄物の有効利用による環境適応型燃料製造プロセスの開発
●希少有価資源回収のための高効率分離システムの開発

先進マテリアル分野

●材料のナノレベルの測定や物性評価のための分析法及び装置の開発
●汚染物質または希少物質のセンサ、分離・回収のためのナノ材料開発
●ナノのオーダで設計された材料の合成及び触媒反応プロセス開発

  

  

教育の特色

 「環境化学プロセスコース」と「環境バイオシステムコース」の教育システムは、他大学にありがちな学科積み上げ型の形式はとらずに専攻間やコース間の垣根を低くしてできるだけ幅広い授業科目の選択が可能な履修制度を導入しています。これにより幅広い知識と柔軟性を持ち、なおかつ自立して問題解決する能力を備えた高度専門エンジニア及び研究者を養成しています。

メッセージ集

在校生からのメッセージ

  • 関本 拓真さん(博士前期課程1年)

私は現在、有害物質の吸着除去の研究を行っています。私が環境に興味を持ったのは中学生の頃であり、その頃から将来は環境問題の解決に貢献できるような仕事に就きたいと漠然と考えていました。
 そして、この大学に入学して様々な環境問題について学んでいくうちにレアアース、レアメタルの回収や有害物質の除去を行う現在の研究室に入りたいと思うようになり、4年生時に希望の研究室に配属されました。将来、化学関連の仕事に就くのなら大学院を卒業しておいた方が有利だと考えたので大学院進学を4年生の研究室配属前に決めました。大学院進学には多くのメリットがあります。例えば、先ほども述べたように将来化学系の仕事に就くのなら学部卒よりも有利です。 また、国内、国際学会に参加できるため、海外に行く機会もあり外国人と接することで見聞を広めることもできます。

卒業生からのメッセージ

  • 花王株式会社 テクノケミカル研究センター 秋野 雄亮さん
 私は2年間の大学院生活で、研究を通して、実験データに対する考察力や化学の技術や知識の基礎を学ぶことができたと思います。大学院での研究テーマは思うように進まず、失敗の連続でもありましたが、そのおかげで最後までやり抜く忍耐力が身に付きましたし、成果を得たときの喜びや達成感を実感することができたと思っています。

 現在は、「コンクリート用混和剤」の開発を行っています。具体的には、ポリマーを用いたコロイドへの吸着・分散技術を利用した”分散剤”の研究開発やセメントの水和硬化反応の促進技術を用いた”早強剤”の研究開発などです。これらの技術を駆使して、お客様に喜びや感動を与えられるようなコンクリートの提供を目指しています。

 将来は、上記のコンクリート分野に限らず、自分が先陣をきって開発した技術によって、新しい商品を生み出すことができればと思っています。その商品を自分自身でお客様に価値提案し、実際に使っていただくことができれば、これ以上の幸せなことはありません。

 将来、研究者として進みたい方はもちろん、化学系の仕事がしたいと思っている方には、大学院の進学を考えていただきいと思います。私は大学院での研究生活のおかげで、自分がやりたいことやなりたい姿をイメージすることができ、またそのために必要なスキルの基礎を学ぶことができたと思っています。何に重きを置くかは人それぞれですが、目標やこだわりを持っていただければ、必ず充実した大学院生活が送れるはずです。まだ若いみなさんには、色んなことに挑戦して、自分自身の可能性を広げていってほしいと思います。


  • ニチバン株式会社 埼玉工場 品質技術センター 生産技術開発課 木幡 佳奈子さん
 私が大学院に進学してよかったと思う事は、一つのテーマに時間をかけて研究し続けることができたことです。学部4年生の1年間では成果を出せなかったことを、大学院の2年間かけて取り組み、先生方や研究仲間の助言をいただきながら自分で解決策を見つけ出し、結果を出すことができます。

 もう一つは国内外を問わず学会に参加できたことです。私は大学院生の時、国内だけでなく海外の様々な学会に参加させていただきました。英語が苦手な私にとって、英語での要旨作成や発表に対して非常に苦労をしましたが、世界の研究にふれるのみならず、様々な国、地域の学生と友達になることができ、非常に良い経験となりました。

 現在はメーカーの生産技術開発という部署で製品開発や品質管理の仕事に携わっていますが、化学の知識が必要な仕事です。現在の仕事である製品製造現場で学んだことを活かした上で、今後は基礎研究の仕事に携わり、大学・大学院で得た知識を役立てたいと考えています。

 大学院では知識はもちろん、仕事の効率的な進め方や礼儀など社会で必要不可欠な事についても学ぶことができたため、現在の仕事には大いに役立っていると感じています。


環境化学プロセスコースのカリキュラム

環境化学プロセスコースの教員紹介


環境化学プロセスコースの博士前期課程一般選抜入試(専門科目)の出題範囲の目安

入試科目出題分野の目安出題範囲の目安
無機化学・物理化学










原子の構造
『基礎無機化学』、朝倉書店、2・5章
『無機化学概論』、丸善、3・4章                 など
化学結合『基礎無機化学』、朝倉書店、6章
『無機化学概論』、丸善、5・11章                など
熱力学『ボール物理化学』、東京化学同人、1〜4・17・18章
『アトキンス物理化学』、東京化学同人、1〜4・16・17章   など
化学平衡論『ボール物理化学』、東京化学同人、5・6章
『アトキンス物理化学』、東京化学同人、5・7章         など
反応速度論『ボール物理化学』、東京化学同人、20章
『アトキンス物理化学』、東京化学同人、22章          など
量子化学『ボール物理化学』、東京化学同人、9〜12章
『アトキンス物理化学』、東京化学同人、8・9章         など
有機化学   『ボハルト・ショアー現代有機化学』、化学同人、1〜23章   など
分析化学


機器分析化学『機器分析のてびき』、化学同人、第1・3分冊          など
分析化学 『環境分析化学』、三共出版、1・2・8章             など 
化学工学  
 
 
物質収支とエネルギー収支  『基礎化学工学』、培風館、1章                  など
流体『基礎化学工学』、培風館、1章 
『化学工学通論Ⅰ・Ⅱ』 、朝倉書店 、Ⅰ―2章、Ⅱ―2章、Ⅱ―1・3・6章                                 など
伝熱『基礎化学工学』、培風館、6章 
『化学工学通論Ⅰ・Ⅱ』 、朝倉書店 、3章            など
分離 『基礎化学工学』、培風館、3章 
『化学工学通論Ⅰ・Ⅱ』 、朝倉書店 、4〜7章         など 
反応工学 『反応工学』、 培風館                       など  

『基礎無機化学』
服部豪夫・佐々木義典・小松優・岩舘康彦・掛川一幸 著
朝倉書店(1997/4)
ISBN:9784254145793

『第2版 無機化学概論』
小倉興太郎 著
丸善出版(2002/2)
ISBN:9784621082881

『ボール物理化学 上・下』
David W. Ball 著
化学同人(2004/10)・(2005/3)
ISBN:9784759809770・9784759809787

『アトキンス 物理化学 第8版 上・下』
P.W.Atkins・J. de Paula 著
東京化学同人(2009/2)・(2009/3)
ISBN:9784807906956・9784807906963

『ボハルト・ショアー現代有機化学 第6版 上・下』
K.P.C.Vollhardt・N.E.Schore 著
化学同人(2011/8)・(2011/11)
ISBN:9784759814729・9784759814736

『環境分析化学』
合原眞・今任稔彦・岩永達人・氏本菊次郎・吉塚和治・脇田久伸 著
三共出版(2004/4)
ISBN:9784782704806

『第2版 機器分析のてびき 1・3』
泉美治・小川雅彌・加藤俊二・五百川二朗・芝哲夫 監修
化学同人(1996/1)・(1996/3)
ISBN:9784759802924・9784759802948

『基礎化学工学』
化学工学会 編
培風館(1999/1)
ISBN:9784563045555

『改訂新版 化学工学通論Ⅰ・II』
疋田晴夫 著・井伊谷鋼一・三輪茂雄 著
朝倉書店(1982/2)・(1982/1)
ISBN:9784254250060・9784254250077

『反応工学 改訂版』
橋本健治 著
培風館(1993/3)
ISBN:9784563045180