学部学科・大学院

建築デザインコース 概要

北九州学術研究都市を基点に高度な建築専門技術者の養成

 省資源・低環境負荷を目的とした建築・地域システムの創造と保全が重要になっています。本コースでは、環境に配慮した建築・都市施設および種々の空間のためのデザインや技術について追求するため、空間デザイン(居住環境デザイン、環境共生地域デザイン、建築・都市デザイン)、構造・施工(建築耐震構造、建築構造解析、建築施工)、建築環境エネルギー(環境設備、熱環境工学、地域エネルギー、環境性能評価)材料デザイン(建築材料、低炭素コンクリート、世代間建築デザイン、安全・仮設)に関する高度な研究・教育を行います。


教育の特徴

 豊富な専門科目と修士論文のための特別研究科目に加え、より実践的な課題演習科目「建築デザインプログラム」・「建築エンジニアリングプラクティス」などにより、デザインセンスと技術力の向上を目的としたカリキュラムを提供します。
さらに、地域と連携した研究や関連する他分野の学習により、技術のわかるデザイナー、デザインのわかる技術者の養成を目指します。

   

        アルゴリズムを用いた造形演習              実施設計につながる設計演習(環境技術研究所)

  

                         最先端の研究・教育施設(空調性能試験室)

  

     自然災害から学ぶ耐震構造の実践的教育                最新の構造解析技術の修得

   

       万能試験機(引張・圧縮試験機)                  走査型電子顕微鏡による観察例


建築デザインが目指すこと

●安心・安全な建物をつくる構造技術の実現
●自然災害に対する「生活保全」の向上化
●バックキャスティングによるカーボン・ニュートラル建築の想定と転換システムの提案
●低炭素化につながるエコマテリアル・ライフサイクル設計の具現化
●安全且つ健康・快適な生活空間の創成
●高効率且つ省エネな建築・都市設備の最適化
●再生可能エネルギーを有効利用した建築・地域・都市システムの実現
●サステナブル建築・環境に配慮した建築都市空間の探究


研究室の長期的なテーマ

空間デザイン
●環境共生都市づくり研究 ●ゼロ・エネルギー建築・省エネルギー建築の設計 ●低炭素建築都市デザイン
●アジア地域における環境共生建築・都市デザインに関する研究 ●ランドスケープ ●都市及び建物緑化に関する研究
●建築・都市計画理論に関する研究 ●地方都市の活性化・都市のコンパクト化に関する研究  

構造・施工
●鋼構造の座屈設計法に関する研究 ●鋼および鋼・コンクリート合成構造の耐震設計法に関する研究
●鋼およびコンクリート充填鋼管構造の安定設計法 ●建築構造教育に関する研究
●既存建物に対する耐震性評価法の高精度化 ●大震災からの早期復旧に向けた耐震技術の提案

建築環境エネルギー

●建築における自然エネルギー利用 ●高齢者福祉施設の温熱環境と空調設備 
●ピークシフト・ピークカット型建築エネルギーシステムの研究
●地域分散型エネルギー資源推進技術に関する研究 ●アジア都市・建築環境エネルギー研究 
●産業圏と生活圏が連携した資源・エネルギー利用の最適化
●省エネ且つ快適な次世代型空調方式に関する研究 ●各種パッシブシステムの性能予測手法の開発
CFDを活用した大空間建築の温熱・空気環境制御
●住環境と健康に関する長期コホート研究 ●虚弱予防型住宅システムの検証 ●住まい方改善に向けた学習法式の開発

材料デザイン

●フライアッシュの改質 ●改質フライアッシュスラリーを使用した建材開発
●低炭素社会実現へ向けた建築材料の性能考慮型環境影響評価
●コンクリート工学 ●高機能建材の開発 ●建築材料に関する新規測定方法の開発
●建設業の労働安全衛生マネジメント ●森林資源の保全および利用システム ●建築物の維持管理

  

          学生によるコンペ入賞作品                学生が参加した実施設計例(さとやまビレッジ)
 

     

    地下ピットを利用した外気の予冷・予熱システム             改修前後における室温・血圧の変化

  

            浮遊選鉱法によるフライアッシュの改質        持続可能な国内森林資源の利用システムに関する研究

  

              コンクリート充填鋼管試験体による圧縮試験                  せん断破壊した鉄筋コンクリート造柱

  

修了生の主な就職先(大学院)

総合建設会社) ●鹿島建設(株) ●清水建設(株) ●大成建設(株) ●(株)竹中工務店
           ●(株)大林組 ●(株)奥村組 ●前田建設工業(株) ●三井住友建設(株)

(設計事務所)
    ●(株)日建設計 ●日本設計(株) ●(株)NTTファシリティーズ

           ●(株)松田平田設計 ●(株)東畑建築事務所 ●(株)INA (株)乃村工芸社 
           ●(株)丹青社

(住宅関連会社)●積水ハウス(株) ●大和ハウス工業(株) ●住友林業(株)
           ●ミサワホーム(株) ●(株)一条工務店 ●パナホーム(株)

(その他)
          ●ダイキン工業(株) ●アズビル(株) ●新菱冷熱工業(株) ●(株)九電工 
                       ●NEXCO(中日本・西日本) ●川崎重工業(株) ●三菱化学エンジニアリング(株) 
                       ●YKK AP(株) ●(株)岡村製作所 ●(株)ソフトウェアクレイドル 
 
(公務員)          ●北九州市 ●下関市




メッセージ集

教員からのメッセージ

  • 教授 福田 展淳

皆さんは、何のために大学院に進学するのでしょうか。

 大学院は将来研究者を希望する学生が進学するのものだと思われている学生も多いと思います。文系では、今もそのような傾向があるかもしれません。しかし、理系は違います。大学院に進学すれば、通常の授業もありますが、ほとんどの時間は、研究室で過ごし、研究主体の環境になります。

 大学は、社会的には、教育と研究の二つの役割を担っています。学ぶとともに、新たな技術や知見の礎となる研究をすることが期待されています。皆さんが学部で学んだ様々な建築技術は、もともとは大学の研究がスタートとなって普及していったものも少なくありません。

 では、将来、研究者になるわけでもないのに研究を行う意味がどこにあるのでしょうか。実は、就職先を見るとよくわかりますが、大学院を修了したからといって、研究の道に進む人はほとんどいません。建築分野の様々な部署に就職をしています。学部卒の就職先に比べると大手企業や設計職など、より高度な能力がもとめられる職場に就職していきます。研究が主体の活動である修士過程を卒業した学生が、なぜ、一般企業の高度人材として就職していくのでしょうか。

 それは、研究を行って身につくことと、企業が求める人材とに多くの共通点があるからです。

 大学院での研究は、テーマは指導教員から与えられた場合でも、研究自体は自ら進んで行わなければ何も進みません。研究は成功もあり、失敗もあります。右に行ったり、左に行ったり試行錯誤の連続です。また、実験を行うには、段取りを考える必要があり、調査をするにも周到な準備が必要です。研究を行う中で社会とのつながりがでる場合もあります。このような2年間を通し、自らのテーマに取り組むことで、論理的思考力や問題解決能力、表現力や実行力が培われます。研究テーマにもよりますが、通常、実験や実測は、準備などを含めると一人ではできず、研究室の同期、先輩後輩の協力を得て行うことも必要です。そのような環境で、チームワークの大切さを知り、コミュニケーション力やリーダシップ力も育ちます。最終発表では、プレゼンテーション力、学術論文をまとめることで、論理的表現力や文章力が身につきます。これらは、どれも、企業に入ってすぐに必要な能力に直結します。

 修士を修了した学生を送り出すたびに、つくづく修士の2年間での成長は大きいなと感じます。修士論文発表会で素晴らしい発表を聞くと、学部時代のあの学生がここまでできるようになったのかと驚かされることも度々です。

 同期で就職した学生を意識しているのかもしれませんが、勉学意欲の面でも、修士の学生は自律しているなと感じます。

 大学院では、学生の国際力を高めるために、大学院生の国際会議への発表を支援する制度があります。多くの大学院生はこの制度を利用して、自分の研究成果を世界に向けて発信しています。また、二級建築士の資格を取得する学生もいます。

 ぜひ、問題意識をもって大学院に入学し、自分の専門を極めてください。この時期に一生懸命頑張ることで、飛躍的に成長することを願っています。


在校生からのメッセージ

  • 上田 健陽さん(博士前期課程1年)


 大学院が学部と大きく違う点は、なんといっても自分のために多く時間を使うことができることです。その時間を設計競技や専門性の高い研究など、自分自身の興味があることに専念することができます。また、学部のときにはなかった考え方、冷静な気持ちで自分の将来を見据える時間をつくることができるのも、大学院に進学するメリットだと思います。

 一方で、将来を見据えた目標やそこへ近づくための日々のスケジュール管理をしっかりしないと、あっという間に時間が過ぎていきます。また、学部のときの同期生が働いている中、大学院の2年でどこまで自分を磨くことができるかという焦りも少しあるのも、正直な気持ちです。そうした緊張感の中だからこそ、大学院は苦労した分だけ自分を磨くことができる環境だと思います。

 私は将来、意匠設計において社会で活躍したいと考えています。そのためにも、専門的知識の修得だけでなく、人として成長できるよう大学院の時間を十二分に活用したいと思います。

 大学院は学部に比べると短い期間ではありますが、自分を成長させる重要な時間になると思います。より専門的な知識を広げたい方、学部ではできなかったことをやりたい方は、ぜひ大学院に来てください。お互いに成長できればと思います。

  • 湊 結貴さん(博士前期課程1年)


 もし今、「取りあえず」大学院に進学しようと考えているならば、やめておいたほうがいいですよ。大学院に進学して具体的に何をしたいのか、それが決まっていないと4年生の卒業設計が終わって大学院の授業が始まるまで、何も成長せずに過ごすことになります。気が付くと、就職が決まっていた友人たちはもう社会に出ています。自分が大学院にいる2年間に彼らはどんどん進んでいるのです。今まで通りにとアルバイトばかりしていると本当においていかれます。耐えられますか?2年の差は意外と大きいものです。

 とは言っても、何をしたらいいのかが分からないという人も多いと思います。大学院は学部の時よりも授業が少なく、自分の時間がたくさんあります。その時間を有効に使い、まずは資格試験の勉強をして下さい。学部を卒業すると二級建築士の受験資格がもらえます。また、二級建築士だけでなく他の資格にもチャレンジして下さい。それらは今後、自分の自信につながります。

 研究についてはしっかりと計画を立てていれば大丈夫だと思います。研究室の友人や先輩方とチームワークを大切にして下さい。

 最後に大学院は自分で行動しなければならないところです。自分で行動することが苦手な人は最初のうちはつらいかもしれませんが、それも慣れてきます。大学院の2年間で大きく成長していきましょう。



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