企業や社会が抱える課題について分析・提言しよう

担当教員久多里 桐子 所属経営情報学科 専門分野実証会計学

ゼミの内容

 久多里ゼミでは、特定の企業や社会的課題について取り上げ、関連するさまざまな情報を利用して分析・検証を行うことで、新たな発見事項を社会に提供することを目的としています。

ゼミ生はこんなことができるようになる!

1. 膨大な情報から必要な情報を選択
 たとえば上場企業1社について、公的に開示されている情報は膨大です。有価証券報告書、経営者予想、経営計画、コーポレート・ガバナンス報告書、株価、格付、アナリストレポートetc. 挙げればキリがありませんが、それぞれの情報が持つ意味を理解した上で、必要な情報を選択してくるセンスを養います。

2. 5つの視点から分析
 収集した情報をもとに、5つの視点から企業を分析します。5つの視点とは、収益性、生産性、安全性、不確実性、成長性のことを指します。これらの視点から企業を分析し、他社や業界平均と比較しながら、企業の特性を明らかにします。ただ闇雲に指標を計算するのではなく、そこから企業の抱える課題を読み取ることを常に意識しながら分析します。

3. 仮説の定立と検証
 分析から明らかになった課題に対して、独自の仮説を定立します。すでに明らかになった発見事項について、しっかり理解した上で、新規性や独自性といったスパイスを加えるのがミソです。さらに、その仮説を統計学的に検定し、仮説が棄却されるか、支持されるのかを検証します。

4. 論理的な報告
 研究から得られた発見事項について、論理的に説明します。なぜかわからないけれど、やってみたらとりあえずこんな結果になった...というガラガラポンな説明では、オーディエンスは納得できません。研究の目的に始まり、問題意識、何が先行研究で明らかになっているのか、自分の仮説は何なのか、その仮説はどういう理論的背景に基づいて得られたのか、どのような分析を行って、得られた結果から何が示唆されるのか...すべてを論理的に説明しなければなりません。

※強制ではありませんが、プログラミングの学習を推奨します。

このゼミを目指す人の推奨履修モデル

  • 1年次: 経営管理論、ファイナンス入門、会計学入門、統計学入門
  • 2年次: 経営戦略論、企業ファイナンスI・II、財務会計論I・II、経営統計II、証券市場論
  • 3年次: 経営分析、企業評価論I・II

ゼミの活動内容

  • 3年の第1学期: 下記のテキストを章ごとに割り振り、輪読します。担当者は該当の章についてプレゼンテーションを行いますが、その際、オーディエンスがプレゼンを聞いて該当の章を「完全に」理解できるように心掛けます。
  • 3年の第2学期: グループでテーマを設定し、そのテーマについて研究報告を行います。
  • 4年の第1学期: 卒業研究のために、個人でテーマを設定し、情報収集・分析にあたります。
  • 4年の第2学期: 第1学期で準備したものを利用して、卒業論文を執筆します。
  • ゼミで使用している「テキスト」や「おススメ本(漫画も含む)」

    テキスト

    • 桜井久勝 (2020)『財務諸表分析』(第8版) 中央経済社

    参考書

    • 木下是雄 (1981)「理科系の作文技術」中央公論新社
    • 小笠原喜康 (2009)「新版 大学生のためのレポート・論文術」講談社

    ゼミ指導教員の担当授業

    • 証券市場論、企業評価論I・II
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